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- 2026/10/05 18:00 掲載
米マイクロソフトとハーバード大・MITが創薬の生物学世界モデル「Project Quine」発表
抗がん剤候補物質の特定と検証を約1週間に短縮
システム内部の推論機構が研究者の設定した問いを複数の実験案に分解し、仮想空間上でシミュレーションを実行して仮説を自動生成する。あるデータ領域から得られた情報をもとに別の未観測領域の挙動を予測し、実験室で得られた検証データを即座に取り込んで自らの予測精度を自動で補正する仕組みが実装されている。 実証実験において研究チームは、治療が困難な悪性腫瘍である膵管腺癌を対象に、細胞の性質を転換させる化合物のスクリーニングを実施した。
システムは数千種類の化合物ライブラリの中から細胞状態の移行を促す介入効果をシミュレーションし、実験による検証を優先すべき候補物質を単一の週末という期間で特定した。選定された化合物を実際の細胞に投与した結果、予測通りに細胞の性質が変化したことが確認された。さらに予測結果からこれまで報告されていなかった新たな細胞状態の存在も示唆され、顕微鏡等による観測でその出現が実証された。
このプロセスにより、多大な時間と研究資金を要していた新薬発見の初期段階が効率化され、数カ月分の実験作業の削減につながる可能性がある。 開発チームは本システムを厳密に実験研究の支援用途と位置づけており、臨床診断や医療行為への直接的な使用を禁止している。AIが出力した仮説や化合物デザインは不完全である可能性を考慮し、専門家による査読と物理的な実験を通じた事実検証を経ることを利用の前提条件としている。
技術導入の初期段階として、同社は各国の研究者がシステムを利用できるフェロープログラムを新設し、利用申請の受付を開始した。安全性の評価が進展した段階で、法人向けクラウドプラットフォーム等を通じ、製薬企業などに向けた商業展開を順次拡大していく方針を発表している。
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