- 2024/10/16 掲載
仏LVMHは3%減収 中国と日本での業績軟化で
[パリ 15日 ロイター] - フランスの高級ブランド、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が15日発表した2024年第3・四半期決算は、為替変動などの影響を除いた売上高(比較可能ベース)が前年同期より3%減り、バークレイズ証券が発表した市場予想の2%増に反して減少した。
四半期ベースで減収となったのは新型コロナウイルス禍後で初めてで、中国での高級品需要が低調だったことや、日本での業績が軟化したのが響いた。投資家の不安感を加速させる可能性が高そうだ。売上高は190億8000万ユーロ(208億ドル)だった。
中国の景気刺激策が一時的に景気回復への期待をあおったため、高級品の株価はこの数週間に大きく変動していた。
LVMHのギオニー最高財務責任者(CFO)はアナリスト向けの電話会議で、中国の消費マインドが新型コロナ禍の最低水準まで落ち込んだと指摘した。
GAMの高級ブランド投資戦略の共同責任者、フラビオ・セレダ氏は「LVMHはこの分野の代表格になっているため、今回の業績は必然的に短期的なボラティリティーを高めることになるだろう」との見方を示した。
<ファッション・皮革製品部門も予想下回る>
ブランド「ルイ・ヴィトン」や「ディオール」を含めたファッション・皮革製品部門の売上高は5%減り、市場予想の4%増に反して減った。ギオニー氏は「ファッション部門は欧州と米国でやや改善したが、中国と日本では悪化した」と説明した。
ファッション・皮革製品部門はLVMHの売り上げの半分弱を占めており、経常利益の約4分の3を占める。
中国市場が圧倒的なシェアを占めている日本以外のアジア市場の売上高は16%減り、減少率は第2・四半期の14%から拡大した。
新型コロナ禍後の消費意欲は昨年に勢いを失い、中国の不動産危機が消費者信頼感に重くのしかかっている。中国政府の景気刺激策で高級品購入への熱意がすぐに再燃するとの期待感も出ているものの、まだ現実化していない。
日本の第3・四半期の売上高は20%増と、為替の円高傾向が響いて第2・四半期の57%増から減速した。
RBCのアナリスト、ピラル・ダダハニア氏は、今回の決算は「予想よりも顕著な減速」を示したとし、市場からネガティブに捉えられる可能性が高いと言及した。
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