- 2025/12/12 掲載
米自動車業界団体、中国の自動車・電池工場の米進出阻止を政府に要求
[ワシントン 11日] - 米国の自動車業界団体、自動車イノベーション協会は11日、中国の自動車メーカーや電池メーカーが米国に工場を建設することを阻止するようトランプ米政権および議会に要求した。「中国は米国自動車産業に対して明白かつ差し迫った脅威をもたらしている」と警告し、政権と議会が中国メーカーの進出を阻止できるかどうかが米自動車業界の命運を握っていると強調した。
協会には米ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、日本のトヨタ自動車、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)、韓国の現代自動車、欧州ステランティスなどの大手メーカーが加盟している。協会は議会下院宛ての要望で、中国政府の補助金を受けている中国メーカーには「米国内で操業する自動車メーカーや電池メーカーがどれほど投資しても、補助金によって世界的に慢性的な供給過剰を引き起こしている中国に対抗できない」と指摘。中国メーカーの行為を「ダンピング(不当廉売)の温床であり、議会とトランプ政権はこれが米国内でもたらされることを防がねばならない」と訴え、中国メーカーの工場進出を阻止するとともに、中国からの情報通信技術やサービスの輸入を禁止している米商務省の措置を維持すべきだと主張した。
これに対し、中国共産党に関する下院特別委員会のジョン・ムーレナー委員長(共和党)は、バイデン前政権の下で採択された中国関連車両の輸入禁止措置を議会が法制化すべきだと訴えた。
ムーレナー氏は「中国はわずか5年で小規模な輸出国から世界最大の自動車輸出国へと変貌し、昨年は600万台を市場価格より安い価格で外国へ輸出した。これは米国や同盟国の自動車メーカーが太刀打ちできない水準だ」と問題視し、「巨額の補助金、原材料とサプライチェーン(供給網)の支配、そして略奪的な規制体制によって中国は自動車産業を国家の道具へと変えた」と非難した。
ムーレナー氏は中国製自動車を巡る国家安全保障上の懸念も示し、中国の重大な対立が生じた場合に中国政府が中国製のソフトウエアや部品を搭載した自動車を無力化するといった事態が起きかねないと警鐘を鳴らした。
米首都ワシントンの駐米中国大使館はコメントの要請に直ちには応じなかった。
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