- 2025/12/12 掲載
ECBが銀行規則の簡素化を提案、資本要件は引き下げず
[フランクフルト 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は11日、銀行規則の簡素化を提案した。複雑になっている規則を整理するのが狙いで、銀行に求める資本要件の引き下げは実施しない方針だ。これに対し、さらなる規制緩和を期待していた銀行業界からは批判の声が出た。
米国など一部の国々は規制が銀行活動を制約しているとの視点に立ち、規制緩和や資本要件の引き下げを進めている。一方、ECBは規則の簡素化が資本要件の引き下げを意味してはならないとの前提を堅持した。
ECBのデギンドス副総裁は「簡素化の取り組みで銀行の強靱さを維持すべきであり、銀行の強靱さとは資本水準を指す」とし、「欧州の銀行の現状の資本基盤を損なうことを試みたくはない」と訴えた。
欧州銀行連盟はECBの報告書を歓迎しながらも、「欧州連合(EU)の金融分野の国際競争力を高めるため、具体的かつ断固たる措置が今こそ必要だ」とコメントした。
ドイツの銀行主要団体を束ねるドイツ信用協同組合も規則の簡素化を歓迎し、迅速な実施を求めながらも、他国での規制緩和を考慮するとECBの措置は不十分だと指摘した。
ドイツ銀行協会のハイナー・ヘルケンホフ最高経営責任者(CEO)は「米国や英国での規制緩和措置を踏まえると、これらの措置が十分かどうかの疑問が生じる」とした上で、「EU委員会に、より断固とした対応を求める」と語った。同協会は中小銀行の規則の簡素化案も不十分との見解を示した。
STOXX欧州600種銀行株指数は11日に前日より1%超上昇し、より広範なSTOXX欧州600種指数の上昇率を大きく上回った。
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