- 2026/04/23 掲載
早期利下げ、鳴り潜める=トランプ政権との距離焦点―次期FRB議長
【ワシントン時事】ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長は21日、上院銀行委員会の承認公聴会で、金融政策の見通しを示さなかった。米イスラエルとイランの紛争に伴う原油高でインフレと景気悪化への懸念が同時に高まっており、模索していた「早期利下げ」は鳴りを潜めた形。一方、承認手続きが停滞した影響で、5月15日のパウエル現議長の任期満了に合わせた就任は不透明な情勢だ。
公聴会では、利下げを求めてFRBの人事や政策に露骨に介入するトランプ米大統領との距離感に関する質問が殺到した。ウォーシュ氏は「中央銀行の独立性は不可欠だ」と明言。「大統領は一度も政策金利に関する特定の判断を約束するよう求めてきたことはない」と言い切った。
利下げ圧力には同調しないと主張した半面、株高や好景気の演出を狙うトランプ氏が志向する大胆な金融緩和の賛否については明言を避けた。FRBが金融政策の先行きを示す「フォワードガイダンス(の手法)は正しくない」などとはぐらかした。
ウォーシュ氏は将来的な金利の引き下げに含みを持たせたが、市場では中東情勢悪化で原油高が長引くとの見方から利下げ期待は後退。性急な金融緩和で景気を刺激するとインフレを助長しかねないためだ。紛争前に有力視されていた「6月の利下げ再開」観測はほぼ消滅。ドイツ銀行は物価高リスクに触れ、「金利の年内据え置きが基本」と予想する。
大幅に遅れていた公聴会の開催で「ウォーシュ議長」誕生へ一歩前進したのは事実。ただ、FRB本部改修工事に絡んだ司法省によるパウエル現議長への刑事捜査が大きな壁となっている。身内の与党共和党からも「捜査が続く限りは人事に同意しない」(銀行委に所属するティリス議員)と反対する声が出ており、承認手続きの「宙に浮いた状態」(エコノミスト)は解消されていない。
【時事通信社】 〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)本部=2025年12月、ワシントン(AFP時事)
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