- 2020/12/04 掲載
午前の日経平均は反落、週末の手仕舞い売り 円高も重し
3日の米国株式市場で、S&P総合500は製薬大手ファイザーが新型コロナウイルスワクチンの初期出荷目標を削減したとの報道が嫌気され、反落。一方、ナスダック総合はテスラ主導で最高値を更新、ダウは3日続伸となった。
日経平均は前営業日比112円11銭安の2万6697円26銭で寄り付いた後下げ幅を縮小する場面がみられたが、再び下落基調となり、前場を通して軟調な展開となった。全体的な値動きにも乏しく、日経平均の前場の上下値幅は約153円にとどまった。
ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏は「きょうは米雇用統計を控えた週末であることに加え、為替の円高が嫌気されており、売り優勢となっているが、ポジション調整の範囲内」との見方を示した。ファイザーの初期出荷目標削減について、同氏は「日経平均は朝方下げ幅を縮小した場面がみられたことを踏まえると、米国市場ほど嫌気されていない。むしろ、これからはワクチン普及がターニングポイントとなり、期待で買って現実で売るといったリスクが考えられるのではないか」という。
TOPIXは0.20%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1460億4800万円となった。東証33業種では、空運業、情報・通信業、サービス業などの20業種が値下がり。半面、鉄鋼、繊維業、食料品などの13業種は値上がりした。
個別では、デンソーが6.35%高となり、年初来高値を更新。日経平均を約12円押し上げる要因となった。経済産業省が2020年代後半に自動車に温暖化ガスの排出枠取引制度を導入する検討に入ったとの報道が材料視された。市場では「同社はハイブリッド車を構成する部品の多くを製造しており、自動車の電動化の流れが追い風となっている」(国内証券)との声が聞かれた。
東証1部の騰落数は、値上がり680銘柄に対し、値下がりが1413銘柄、変わらずが82銘柄だった。
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