- 2021/01/30 掲載
ECB、追加利下げに消極的 ユーロ高でも足元懸念せず=関係筋
理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は27日、金融状況の改善とインフレ目標の達成に必要であれば、中銀預金金利をさらに引き下げる余地があると発言。これをきっかけに市場では利下げ観測がくすぶる。
関係筋らによると、クノット総裁は21日の理事会で利下げに関する問題を提起したものの、ECBの焦点が良好な資金調達環境の維持や為替レートに向く中で、利下げは政策戦略の一部とは見なされず、議論はほとんど行われなかったという。
ECBが利下げに消極的な理由としては、(1)実体経済への効果が限定的、(2)ユーロ相場がなお歴史的な範囲内で推移、(3)マイナス金利の一段の深掘りによる有益な効果が見込めない──といった要因が指摘された。
ただ、ある関係筋はユーロ高が今後も継続した場合、利下げに関する状況は変わるかもしれないと述べた。ユーロ/ドルは米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の結果、昨年3月以降で14%値上がりしており、今月に入ってからは2年ぶり高値を付けている。貿易加重ベースでは昨夏に11年ぶりの高値を記録し、その後は横ばいが続く。
ECBの報道官はコメントを控えた。
ラガルド総裁は先週、いかなる手段も「テーブルの上から除いていない」と表明。関係筋らも、状況が根本的に変化した場合、利下げはなお技術的に可能だとした。
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