- 2021/02/04 掲載
ソニー、多角化で強み=米中対立で半導体苦戦
ソニーの2021年3月期の連結純利益が初めて1兆円を超える見通しとなった。祖業の電機に加え、ゲーム、音楽、金融など幅広い事業分野を持つ多様性が新型コロナウイルス禍のさなかでも強みを発揮した。ただ、米中対立の影響で、主力事業の一つの半導体事業では苦戦が続いている。
本業のもうけを示す営業利益は、過去最高となる9400億円を見込む。うち4割弱をゲーム、2割を音楽で稼ぐ計画。十時裕樹副社長は3日の記者会見で、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」ユーザー向けの有料会員サービスの増収により、「ゲーム事業の収益構造は大きく変化した」と指摘する。巣ごもり需要の継続と新型機「PS5」の導入効果で顧客基盤が強化され、収益安定化につながっている。
音楽分野では、アニメに加え、人気アーティストの楽曲配信事業も好調。アニメ、音楽の配信を手掛ける企業の買収も先に発表し、十時氏は「さらなる成長への貢献を期待している」と語る。今後も娯楽分野を中心に買収を進め、収益基盤を広げていく方針だ。
一方、米中摩擦のあおりを受ける半導体事業では、中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)向け出荷が減少し、利益が1年前に比べ減っている。ファーウェイ以外の取引先を増やして打撃の軽減を急ぐが、成長軌道に戻るには時間がかかる見通しだ。
【時事通信社】
PR
PR
PR