- 2021/03/05 掲載
デジタル戦略、出はなくじく=みずほ銀のATM障害
みずほ銀行で発生した大規模システム障害は、デジタル化を急ぐ中で発生した。超低金利の長期化に加え、新型コロナウイルス禍で金融機関の経営環境は厳しさを増している。親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)とともに、顧客満足度向上と収益改善に向けデジタル戦略を加速させていたが、出はなをくじかれた形だ。
過去2度の大規模システム障害を起こしたみずほFGは2019年、新基幹システムを全面稼働させた。異業種参入で競争が激化する金融界での生き残りを懸け、デジタル化へかじを切った。
柱の一つが通帳を発行しないデジタル口座「みずほe―口座」で、希望者は最大10年分の入出金明細をネット上で確認できる。1年以上記帳のない口座をデジタル口座に移し、紙通帳のコスト削減を狙った。
ただ、リスク管理の甘さが3度目の大規模障害を引き起こした。事前にテストはしたが、結果的にシステムに処理能力以上の負荷がかかった。現金自動預払機(ATM)に取り込まれたキャッシュカードや通帳が戻らず、多くの顧客を長時間待たせた。
「あまりにも顧客を粗末にしている」(自民議員)。みずほは、新システムで出遅れたデジタル化と過去の失態を挽回しようとしたが、かえって傷口を広げることになった。
【時事通信社】
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