- 2021/03/05 掲載
ホンダ、本格自動運転で先陣=レベル3、他社は慎重姿勢
ホンダが5日、世界初の自動運転「レベル3」車を発売する。事故時の責任が運転者からシステムに移る本格的な自動運転技術で先陣を切り、他社との競争で優位に立ちたい考えだ。ただ、利用できる場面は限定的で、ドライバーにどこまで受け入れられるかは未知数。他のメーカーは参入に慎重な姿勢で、「レベル3」車の普及には、なお時間がかかりそうだ。
自動運転の区分によると、レベル2までは「運転支援」で、レベル3以降が「自動運転」と位置付けられる。レベル3の特長は、ドライバーが常に運転態勢に戻る準備を求められるものの、スマートフォン操作やテレビ視聴などができるようになる点だ。
ホンダは「先進安全技術の新たな一歩だ」と強調する。寺谷公良日本本部長は4日のオンライン発表会で、自動車保険に関し、「通常の保険で利用できる段取りになっている」と説明。東京海上日動火災保険は4月から、レベル3による自動運転中の事故では、保険金が支払われた場合でも、契約更新時に保険料負担が増えないようにする。
一方、レベル2車を販売する日産自動車などは、レベル3参入の考えを示していない。現在、レベル3の機能を使えるのは、技術的に高速道路の渋滞時に限られ、レベル2より利用可能な場面が少ない。このため、日産の幹部は「価格が高くなる割にメリットが少なく、商品として成立しづらい」との判断だ。
ホンダも今後のレベル3車の展開については、「社会にどう受け入れられるかを慎重に見極める」という姿勢。自動車大手関係者からは「技術的には可能だが、万が一、事故が起きたときのブランド価値の損失が一番怖い」との声も聞かれる。
【時事通信社】
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