- 2021/03/06 掲載
ドル上昇、好調な雇用統計で景気回復裏付け=NY市場
労働省発表の2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比37万9000人増と、市場予想の18万2000人増を上回る伸びとなったほか、失業率は6.2%と、1月の6.3%から低下した。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「労働市場には勢いがあり、成長見通しは一段と改善するとの楽観的な見方が膨らんでいる」と指摘。パイパー・サンドラー・フィナンシャル・ストラテジーズ(シカゴ)の債券部門責任者、ジャスティン・ホーゲンドーン氏は、「経済が再開されるにつれ、レフレーションに向けた動きが出始めている。非農業部門雇用者数の力強い増加でこうした動きが勢いづき、FRBの利上げ時期の前倒しに圧力がかかっている」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は92.201と、昨年11月25日以来の高値に上昇。その後は91.965に戻したものの、まだ0.36%高い水準にある。
ユーロは1.1892ドルと、昨年11月26日以来の安値を付けたが、その後は0.49%安の1.1915ドルに戻した。
FRBのパウエル議長は前日、景気が回復するまで現行の緩和的な政策を維持すると改めて表明。ただ、国債の売りは「無秩序」なものではないとの見方を示し、利回り上昇に懸念を示すと期待していた市場は肩透かしを食らった。
みずほ銀行の外為セールス部門責任者、ニール・ジョーンズ氏は「国債利回りの一段の上昇阻止に向け強い口調での発言が予想されていたため、パウエル氏のコメントを受けドルが大きく上昇した」と述べた。
この日はセントルイス地区連銀のブラード総裁も、米長期債利回りのこのところの上昇は景気見通しの改善を反映しているとの見方を示した。
スイスフランと円は世界的な経済成長は米経済成長に及ばないとの見方から、対ドルで引き続き下落。スイスフランは0.9318フランと7カ月ぶり安値、円は108.63円と9カ月ぶり安値を更新した。豪ドルなどの高リスク通貨も対米ドルで下落した。
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