- 2021/11/10 掲載
米卸売物価、10月は0.6%上昇 ガソリンや自動車の価格上昇寄与
[ワシントン 9日 ロイター] - 米労働省が9日発表した10月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.6%上昇と、9月の0.5%上昇から加速した。ガソリンや自動車の価格上昇が寄与した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うサプライチェーン(供給網)の問題が続く中、高インフレが当面続く公算が大きいことが示された。
10月の前年同月比は8.6%上昇。市場予想は前月比0.6%上昇、前年同月比8.7%上昇だった。
ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「米国のインフレ加速は、世界的なサプライチェーの問題により従来想定ほど早く弱まらないかもしれない」と指摘。「インフレ高進は米連邦準備理事会(FRB)に圧力をかけているが、FRBは完全雇用の早期回復に向け高インフレを容認しているためインフレ高進に屈服する様子を見せていない」と述べた。
10月の内訳は、モノが1.2%上昇し全体の上昇の60%以上を占めた。9月は1.3%上昇していた。ガソリンの6.7%上昇がモノの上昇の3分の1を占めたほか、軽油、ガス、ジェット燃料、プラスチック樹脂などの価格も上昇した。
食品は0.1%下落。牛肉および子牛肉が10.3%下落した。
サービスは9月に続き0.2%上昇した。自動車および部品が8.9%上昇し、サービス全体の80%以上を占めた。運輸・倉庫は1.7%上昇した。
衣料品、履物、トラックによる貨物輸送、食品・酒類、医療費、機械・機器部品なども上昇。一方、ポートフォリオ管理手数料は下落した。
変動が大きい食品・エネルギー・貿易サービスを除いたコア指数は0.4%上昇した。9月は0.1%上昇だった。コア指数の前年同月比は6.2%上昇。9月は5.9%上昇していた。
建設費が6.6%上昇し、09年にPPI算出に組み込まれて以降で最大の上昇となった。
FHNフィナンシャルのシニアエコノミスト、ウィル・コンパーノレ氏は「企業はエネルギー価格や人件費の上昇、根強い物流問題などに圧迫されているため、卸売物価の上昇は今後数カ月間堅調に推移するだろう」と述べた。
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