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  • 2024/10/09 掲載

なぜデータドリブン経営は困難? 環境・人材・文化という「3つの壁」をツブす方法

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デジタルトランスフォーメーション(DX)推進が大きなテーマとなり、データの活用と分析結果に基づき意志決定する「データドリブン経営」を目指す企業が増えている。しかし日本企業には、データドリブン経営どころか、その手前に位置する「全社的なデータ利活用」が進んでいないという調査がある。「データ管理基盤」「人材のスキル」などの点で、課題があるためだ。そこで本稿では、データドリブン経営の実現を阻む、環境・人材・文化という「3つの壁」をツブす方法を解説する。
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データドリブン経営の実現に有効な「データ連携」と「内製化」
(Photo/Shutterstock.com)

データドリブン経営実現を阻む「3つの壁」

 ビジネス環境の変化に即応するため、事業のデジタル化を推進するとともに、勘や経験に頼らない「データドリブン経営」の実現を目指す企業が増えている。「データドリブン経営」とは、企業内のデータを統合管理、可視化した上で、経営の意思決定に活用している状態のことだ。

 一方、現実には「データドリブン経営」への距離が感じられる調査結果も出ている。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が企業におけるデータ利活用の状況を調査した「DX動向2024」によると、日本企業はデータについて「全社で利活用している」「事業部門・部署ごとに利活用している」「現在実証実験を行っている」という回答の割合は2022年度と2023年度で大きな変化がないことがわかった。

 しかし、同じ設問での米国の調査結果と比較すると、データ利活用をしている割合はほぼ同等であるものの、「全社で利活用している」回答割合は日本企業のほうが少ないことがわかっている。日本企業では、まだまだデータ利活用にていて「全社的に取り組んでいるとはいえない」状況だ。
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データの利活用状況(経年変化および米国との比較)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「IPA DX動向2024」,2024年6月 )

 こうした背景には大きく「データ管理基盤」「人材不足」「データ活用の指針/文化」という3つの課題がある。

 「データ管理基盤の整備」については、データ分析に必要な、データの取得、加工、分析といったプロセスを担うシステムが整備されておらず、システムがサイロ化し、データが社内に点在している課題だ。

 「IT/DX人材の不足」については、デジタル技術を理解して活用できる、専門的な知識・技術を備えた人材が不足している課題だ。

 また、「データ活用の指針/文化」については、「全社でデータ利活用をしている割合が少ない」という調査結果とも合致するが、全社的なデータ利活用の指針がなくガバナンスが効いていないという課題だ。上述したデータ人材不足の課題と相まって、データ利活用の文化が醸成されないといった課題につながる。

 では、こうした課題の背景には何があるのか。そして、これらの課題を解決して「データドリブン経営」を目指すにはどんな環境が必要なのかを、以降の章で詳説する。

この記事の続き >>

  • ・環境・文化・人材という「3つの壁」をツブす方法
    ・課題解決へ「経営」「現場」双方に必要な取り組み、カギは「ノーコード」
    ・星野リゾートなど「データドリブン経営」の事例を解説

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