- 2022/11/23 掲載
NY市場サマリー(22日)ドル下落、株上昇 利回り低下
ユーロ/ドルは0.5%高の1.02965ドルと4日ぶりに反発。
コンベラ(ワシントン)のシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「リスク選好が一時的に回復し、数日間続いたドルの上昇に歯止めがかかった」と指摘。「連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨があす発表されるが、米感謝祭の祝日を控えレンジ取引が支配的だ」とし、「連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な見通しがドルの下値を支えている一方、引き締めペース鈍化への期待が上値を抑えている」とした。
豪ドルは0.6%、ニュージーランドドルは0.9%それぞれ上昇した。ニュージーランド中銀が今週、過去最大の利上げを決定すると見込まれている。
英ポンドは0.6%高の1.1885ドル。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインは2.5%高の1万6161ドル。
<債券> 薄商いの中、利回りは低下した。中国での新型コロナウイルス感染拡大に対する懸念が残る中、投資家は23日に予定される米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨待ちの構えを見せている。
10年債利回りは7bp(ベーシスポイント)近く低下し3.759%、2年債利回りは小幅低下し4.518%となっている。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス76.1bpと大幅マイナスが続いている。
クレディ・スイス(ニューヨーク)の金利トレーディング戦略担当幹部、ジョナサン・コーン氏は「コロナ感染者数の増加に伴う中国株の弱さが要因かも知れないが、今日の債券市場の動きに明確な誘因はほとんどない」と述べた。
24日は感謝祭の祝日で債券市場は休場、25日は半日取引となる予定。「連休とサッカーのワールドカップが重なったことで、今日の取引量は平均を大きく下回っている。市場はささいな要因の影響を受けやすくなっているのかも知れない」(コーン氏)という。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、政策金利は6月までに5.079%に上昇することを織り込んでいる。
<株式> 薄商いの中、上昇して取引を終えた。S&P総合500種は終値で9月12日以来の高値となった。米家電量販大手ベスト・バイの売上高見通しを受け、高インフレが悲惨な年末商戦をもたらすとの懸念が後退したほか、原油価格の反発を背景にエネルギー株が上昇した。
ベスト・バイは22日、2023年1月期通期決算の既存店売上高が前期より約10%減り、減少率は従来予想の約11%より小さくなるとの見通しを示した。値引きを増やすことなどで、年末商戦に買い物客を呼び込むことができると自信を示した。
これを受け、ベスト・バイの株価は12.78%高。S&P500構成銘柄で値上がり率トップとなったほか、1.21%高となったS&P500小売指数にも寄与した。
半面、米ディスカウント小売りのダラー・ツリーは7.79%下げ、S&P500構成銘柄で値下がり率トップ。S&P500小売指数の上値も抑えた。2回目となる通期利益見通しの下方修正を発表した。
エネルギー株も3.18%上昇。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相が21日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が10月に合意した減産決定を維持し、必要に応じ一段の措置を講じる可能性があるとし、増産の可能性を巡り協議しているという米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を否定した。
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は22日、インフレ引き下げが依然として連邦準備理事会(FRB)の主要課題という認識を改めて示した。
米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は22日、消費者の需要を緩和し高インフレを抑制するためには、FRBが政策金利を一段と引き上げ、より長期にわたり維持する必要があるかもしれないと述べた。
感謝祭で休場となる24日を控え商いは減少した。
米ドラッグストア大手ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは2.96%高。ヘルスケアサービス事業の転換を進めていることなどを理由にコーエンが投資判断を「アウトパフォーム」に引き上げた。
英サッカークラブのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)は14.66%高。マンUの支配権を持つ米資産家グレーザー家が完全売却を含む選択肢を模索しているとスカイニュースが報じた。
アジレント・テクノロジーズは8.08%上昇。第4・四半期の売上高が好調だった。
<金先物> ドル指数と米金利の低下を手掛かりに買いが入り、小幅ながら6営業日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.30ドル(0.02%)高の1オンス=1739.90ドル。
中国の新型コロナウイルス感染再拡大を受け、前日は基軸通貨のドル買いが優勢となったが、22日はリスク回避の動きが一段落。朝方にかけて金の買い戻しが先行し、相場は一時1751.00ドルまで上昇した。
しかし、米金融政策の先行きを巡る不透明感がくすぶる中、日中は徐々に上げ幅を削る展開。米連邦準備制度理事会(FRB)高官らから利上げ継続の必要性が指摘されたことから、金利を生まない資産である金の上値は重かった。翌23日午後に連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月1?2日開催分)の公表を控え、ひとまず内容を見極めたいとの思惑も強かったもよう。
<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」による減産が継続されるとの見方が広まり、上伸した。この日から中心限月となった米国産標準油種WTI1月物の清算値(終値に相当)は前日比0.91ドル(1.14%)高の1バレル=80.95ドルだった。2月物は0.82ドル高の80.73ドル。
ロイター通信によると、サウジアラビアとOPEC加盟国が最大で日量50万バレルの増産を検討しているという21日の報道を巡り、サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は報道を否定。現行の減産方針を維持する方針を示唆したことから、買いが先行した。一方、中国本土での新型コロナウイルス感染者拡大の影響から、同国のエネルギー需要減少への懸念はくすぶり、原油の上値を抑えた。また、米メディアはこの日午後、欧州連合(EU)がロシアへの制裁として12月5日から導入する、同国産石油の価格上限制度について、45日間の移行期間を設けると報道。これを受けて、供給不安がやや後退し、上値を削る場面があった。
ドル/円 NY終値 141.24/141.27
始値 141.16
高値 141.55
安値 141.16
ユーロ/ドル NY終値 1.0302/1.0306
始値 1.0268
高値 1.0307
安値 1.0255
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 103*00.00 3.8308%
前営業日終値 101*20.50 3.9070%
10年債(指標銘柄) 17時05分 103*01.00 3.7578%
前営業日終値 102*14.50 3.8270%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.50 3.9480%
前営業日終値 99*17.38 3.9770%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.63 4.5227%
前営業日終値 99*30.50 4.5260%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34098.10 +397.82 +1.18
前営業日終値 33700.28
ナスダック総合 11174.41 +149.90 +1.36
前営業日終値 11024.51
S&P総合500種 4003.58 +53.64 +1.36
前営業日終値 3949.94
COMEX金 12月限 1739.9 +0.3
前営業日終値 1739.6
COMEX銀 12月限 2104.9 +17.7
前営業日終値 2087.2
北海ブレント 1月限 88.36 +0.91
前営業日終値 87.45
米WTI先物 1月限 80.95 +0.91
前営業日終値 80.04
CRB商品指数 279.2436 +2.7242
前営業日終値 276.5194
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