- 2023/08/15 掲載
NY市場サマリー(14日)=円が下落、10年債利回り上昇 米株上昇
円は対ドルで0.36%下落し、一時1ドル=145.50円と、2022年11月以来の円安・ドル高水準を付けた。
政府・日銀は昨年9月、145円台で円買い・ドル売り為替介入を実施。マネックスUSA(ワシントン)の外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「向こう2、3週間以内に日銀から何らかのニュースが出てきても、それほど驚くべきことではない。特に1ドル=147円に向かい始めれば、政府・日銀は動くだろう」としている。
この日は関係筋がロイターに対し、中国の不動産開発大手の碧桂園が9月2日に満期を迎えるオンショア私募債の償還を3年延期するよう求めていると明らかにした。米金融大手JPモルガンは碧桂園の債務支払い遅延を受け、運用資産2兆8000億元(3857億8000万ドル)相当と試算する中国の不動産投資信託(REIT)のリスクが高まると警告している。
こうした中、中国を中心に世界経済の健全性に対する懸念が高まり、安全資産としてのドルに買いが入り、主要6通貨に対するドル指数は0.301%高の103.170と、約1カ月ぶりの高値を更新した。
豪ドルは対米ドルで0.28%下落し、5月以来の安値を更新。豪ドルは中国に対する投資家心理を反映しやすいとされる。
対ドルで、英ポンドは0.16%安の1.2676ドル、ユーロは0.38%安の1.09045ドル。
ロシアの通貨ルーブルは一時ドル=100ルーブル台に下落。その後、ロシア中央銀行が主要政策金利について討議するために15日に臨時会合を開くと発表したことを受け、同水準を回復した。
アルゼンチンペソは急落。アルゼンチン大統領選挙の予備選で独立系で極右のリバタリアン(自由至上主義)経済学者であるハビエル・ミレイ氏が予想外にトップに躍り出た。これを受け、アルゼンチン中央銀行はペソを約18%切り下げるほか、政策金利を21%ポイント引き上げ118%にすると発表。ペソの公式レートは10月の大統領選挙まで1ドル=350ペソで固定するとした。
<債券> 指標10年債利回りが9カ月ぶりの高水準を付けた。15日に発表される7月の米小売売上高は堅調な伸びを示すと見込まれている。ただ、夏季休暇中で商いは低調だった。
15日に発表される7月の米小売売上高は0.4%増となる見込み。米経済が引き続き堅調に推移しているとの見方が裏付けられるとみられている。
指標10年債利回りは一時11月8日以来の高水準となる4.215%を記録。終盤は1ベーシスポイント(bp)上昇の4.182%。
2年債利回りは7月7日以来の高水準となる4.965%まで7bp上昇した。
2・10年債の利回り格差はマイナス78bp。
米ニューヨーク連銀が4日発表した7月の消費者調査で、1年先のインフレ期待は3.5%と、前月の3.8%から低下し、2021年4月以来の低水準となった。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRBが11月の会合で0.25%ポイントの利上げを決定する確率を50%以下とみている。またFRBは来年5月に利下げを開始する可能性が高いとみられている。
<株式> 上昇。米半導体大手エヌビディアがモルガン・スタンレーの強気な見方を手掛かりに上昇し、ナスダック総合とS&P総合500種押し上げに寄与した。
エヌビディアは7.1%高で、強気な業績見通しを受けて株価が24%急伸した5月25日以来の大幅上昇率を記録した。
同社株の上昇に押し上げられて情報技術は1.85%上昇。S&P主要11セクターの上げを主導した。
他の大型グロース(成長)株も連れ高となり、アルファベットは1.4%高、アマゾン・ドット・コムは1.6%高。半導体大手マイクロン・テクノロジーは6.1%上昇した。
来週に四半期決算を発表するエヌビディアは人工知能(AI)を巡る楽観的な見方から今年株価が上昇している。
モルガン・スタンレーのアナリストは14日付のリポートで「AI関連へと支出が大きくシフトしていることや、かなり例外的な需給の不均衡が今後数四半期続く見込みであることから、エヌビディアは引き続き当社のトップピック銘柄だ」と述べた。
電気自動車(EV)大手テスラは1.2%下落。中国でスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」の2車種を値下げしたことが嫌気された。
市場ではまた、ウォルマートやターゲットなど米小売各社が週内に発表する四半期決算に注目が集まる。
決済サービス大手ペイパル・ホールディングスは2.8%上昇。税務・会計ソフトウエア会社インテュイットの幹部であるアレックス・クリス氏が新最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。
映画館運営会社AMCエンターテインメント・ホールディングスは約36%急落。米デラウェア州の裁判所が11日、AMCが修正した株主和解案を承認した。同社の優先株は16%急伸した。
電力会社ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズは約34%急落。ハワイ州マウイ島で8日発生した大規模森林火災の原因が、同社の送電設備と関連している可能性があるという懸念が広がっている。
<金先物> 米金利やドル高を背景とした売りが止まらず、6営業日続落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比2.60ドル(0.13%)安の1オンス=1944.00ドル。
<米原油先物> エネルギー消費大国である中国の景気回復を巡る不透明感の強まりを受け、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.68ドル(0.82%)安の1バレル=82.51ドルだった。10月物は0.65ドル安の81.92ドル。
中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した7月の中国の新規銀行融資は前月から89%減少し、2009年終盤以来の低水準となったほか、アナリスト予想も大幅に下回った。同国の景気回復の遅れを示すような内容だったことを受け、世界最大の石油輸入国である同国のエネルギー需要見通しに懸念が広がった。対ユーロでドル買いが優勢となったこともドル建てで取引される商品の割高感につながり、相場を圧迫した。
ドル/円 NY終値 145.54/145.57
始値 145.00
高値 145.58
安値 145.00
ユーロ/ドル NY終値 1.0904/1.0908
始値 1.0944
高値 1.0945
安値 1.0875
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*02.50 4.2993%
前営業日終値 97*17.00 4.2720%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*11.50 4.2011%
前営業日終値 97*20.00 4.1680%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*29.00 4.3723%
前営業日終値 99*06.00 4.3080%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.75 4.9733%
前営業日終値 99*23.38 4.8950%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 35307.63 +26.23 +0.07
前営業日終値 35281.40
ナスダック総合 13788.33 +143.48 +1.05
前営業日終値 13644.85
S&P総合500種 4489.72 +25.67 +0.58
前営業日終値 4464.05
COMEX金 12月限 1944.0 ‐2.6
前営業日終値 1946.6
COMEX銀 9月限 2270.8 ‐3.5
前営業日終値 2274.3
北海ブレント 10月限 86.21 ‐0.60
前営業日終値 86.81
米WTI先物 9月限 82.51 ‐0.68
前営業日終値 83.19
CRB商品指数 278.0970 ‐1.6386
前営業日終値 279.7356
*内容を追加して再送します。
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