- 2023/08/15 掲載
英賃金、4─6月はボーナス除き前年比+7.8% 過去最高の伸び
[ロンドン 15日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が15日発表した4─6月の賃金はボーナスを除いたベースで前年比7.8%上昇し、上昇率は2001年に集計を開始して以来の最高を記録した。イングランド銀行(英中銀)が長期的なインフレへの懸念を一段と強めそうだ。
一方、失業率は4.2%で21年8─10月以来の高水準。今年3─5月の4.0%から予想外に上昇し、労働市場に減速の兆候も出た。
ボーナスを含む賃金は前年比8.2%上昇した。上昇率は、政府の補助金で統計がゆがんだ新型コロナウイルス流行時を除くベースで過去最高だった。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は、今回の賃金データについて「イングランド銀行が9月に政策金利を5.25%から5.50%へ利上げするとの当社の見方を裏付けるものだ」と語った。
ただ、次回の労働市場指標と2回の消費者物価指数(CPI)に大きく左右されるとも述べた。
市場参加者は英中銀の政策金利が24年初めごろに6%へ上昇する可能性を約55%と見込んでいる。14日時点では30%程度だった。
4─6月の就業者数は6万6000人減少した。求人数は6万6000人減の102万人と、21年半ば以来の低水準となった。
長期傷病を理由とする非労働力人口は過去最高を記録した。人員の補充が難しくなり賃金上昇圧力が高まる可能性がある。
統計発表を受けて、ポンドは対ドルと対ユーロで上昇。英2年債利回りは1カ月ぶりの高水準に上昇した。
パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トゥームス氏は今年後半に賃金上昇率が鈍化すると予想。
「労働市場の需給の変化が賃金上昇率に波及にするには通常、時間がかかる。複数の調査が賃金上昇率の鈍化を示唆している」とし、中銀はあと1回利上げし、政策金利を5.5%にするとの見方を示した。
16日発表の7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は6.8%に鈍化すると予想されており、賃金上昇率がCPI上昇率を上回ると見込まれている。
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