- 2023/08/16 掲載
米7月小売売上高0.7%増、予想上回る 経済の底堅さ示唆
[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した7月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.7%増加した。オンライン購入や外食の増加で押し上げられ、増加率は予想の0.4%を上回った。第3・四半期の初めに米経済の拡大が続き、景気後退(リセッション)が抑えられていることが示された。
また、7月は趣味やスポーツ用品、衣料品などの売上高も増加した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げにもかかわらず、賃金の力強い伸びを背景に消費者が堅調を維持している様子が浮き彫りとなった。
小売統計を受け、ゴールドマン・サックスのエコノミストは第3・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率予測を年率2.2%に引き上げた。
ただ、キャピタル・エコノミクスの米国エコノミスト副主任のアンドリュー・ハンター氏は「コアインフレが急速に鈍化し続ける限り、FRBが追加利上げに踏み切るには底堅い成長のみでは不十分だろう」と述べた。
前年同月比は3.2%増だった。
6月分は0.3%増と、従来の0.2%増から上方改定された。
内訳では、オンライン売上高が1.9%増と、6月の1.5%増から伸びが加速。 米アマゾン・ドット・コムが7月に開催した有料会員向けセール「プライムデー」が追い風となった公算が大きい。
建材・園芸用品は0.7%増、衣料品店は1.0%増、スポーツ用品・趣味・書籍・楽器は1.5%増。
スーパーや百貨店も増加したほか、ガソリンスタンドは0.4%増だった。
サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は1.4%増と、前月の0.8%増から加速した。
一方、自動車は0.3%減と、前月の0.7%増からマイナスに転じた。家具は1.8%減、家電・電化製品は1.3%減。
自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は1.0%増。6月分は0.5%増と、0.6%増からやや下方改定された。
トレードステーションのマーケットインテリジェンス部門バイスプレジデント、デイビッド・ラッセル氏は「くすぶる景気後退懸念を払拭し、健全な労働市場が消費者に恩恵をもたらしている状況を示した」と指摘。同時に、こうした明るいニュースが市場にとっては悪いニュースとなるリスクもあるという見方を示した。
また、ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「消費者の勢いはいずれ失速するだろうが、そのためには労働市場の状況が大幅に緩和する必要がある。そのプロセスは今年、想定以上に緩慢なペースとなっている」と述べた。
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