- 2023/08/16 掲載
中国新築住宅価格、7月は前月比-0.2% 今年初の下落
[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表したデータを基にロイターが算出した7月の新築住宅価格は前月比0.2%下落した。前月比での下落は今年初めて。経済全体の失速を示す新たなデータが出た形となり、景気浮揚に向けて一段と大胆な政策が喫緊に必要であることが改めて裏付けられた。
前年比でも0.1%下落した。6月は前月比、前年比ともに横ばいだった。
中国では不動産開発大手の債務問題が悪化し、不動産投資や住宅販売が落ち込んでいる。大半のアナリストは、住宅価格と販売が今後数カ月にさらに低迷すると予想。需要の弱さを背景に経済の多くのセクターへの圧力が強まる中、政策当局者には重い課題が突き付けられている。
中国の経済指標はここ1カ月ほどの間、弱い内容が続いており、景気悪化に歯止めをかけるため支援策の拡大を求める声が上がっている。
経済活動の4分の1を占める不動産部門は、開発業者への金融支援や住宅購入奨励策などにもかかわらず苦境が続いている。
7月は70都市のうち49都市で価格が前月比で下落。6月の38都市から増加した。
共産党中央政治局は7月、市場の大幅な変化に対応して不動産政策を調整すると表明。一部の都市は既に不動産規制を緩和している。
ゴールドマン・サックスのエコノミストは「頭金比率の一段の引き下げや、大都市における住宅購入規制のさらなる緩和など、向こう数カ月間に追加的な支援策が講じられると引き続き予想している」とした。
しかし、大半のエコノミストは、住宅販売と価格の下方トレンドは当面続くとみる。UBSインベストメント・バンクのアジア経済責任者で、中国担当チーフエコノミストのワン・タオ氏は「追加的な政策緩和や財政支援がなければ、不動産販売と投資は一段と弱含むか、予想よりも低迷が長引くことになる」と述べた。
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