- 2023/10/10 掲載
一部の金融資産は過大評価、米ハイテク株など=英中銀
[ロンドン 10日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融行政委員会(FPC)は10日、米ハイテク株やドル建て社債など、一部の金融資産のバリュエーションが過大になっているとみられると指摘した。
四半期会合後に「リスク環境全般は引き続き厳しく、短期の成長見通しは依然低迷している」と表明。「金利上昇の影響や、インフレと成長に伴う不確実性を考慮すると、リスク資産の評価が一部で過大になっているようだ」との見方を示した。
英国の銀行と金融システム全般が強靭性を維持しているとの判断は変えず、銀行のカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)比率を2%に据え置いた。
「FPCは今後も動向を注意深く監視し、経済・金融情勢の進展に合わせて英国のCCyB比率をいずれの方向にも変動させる用意がある」とした。
一部のFPC委員は貸し倒れが少ない時期に銀行の強靭性を高めるため、CCyB比率の引き上げを主張。引き下げの論拠も議論された。
英中銀はこれまでの利上げの影響はまだ一部しか表れていないとしながらも、家計や企業の債務返済負担が2007年の世界金融危機前の高水準に戻るとは予想していないとした。
しかし国内金融機関の一部がエクスポージャーを持つ香港と中国の不動産市場を英中銀は注視している。
また住宅ローン金利の上昇により家主がコストを借り手に転嫁しているが、家主が売却する明確な兆候は見られていない。
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