- 2023/10/12 掲載
NY外為市場=ドル安定的、米利上げ終了への期待で PPI受け
[ニューヨーク/ロンドン 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが安定的に推移した。朝方発表された米卸売物価指数(PPI)は基調インフレの鈍化継続を示唆し、市場では現在の米利上げサイクル終了への期待が高まった。
米労働省が11日発表した9月のPPIは前年比2.2%上昇した。伸びは8月の2.0%から加速し、市場予想の1.6%上昇を上回った。食品・エネルギー製品の価格上昇が背景。ただ、伸びは引き続き緩やかなものにとどまっている。前月比は0.5%上昇し、予想の0.3%上昇を超える伸びとなった。8月分は0.7%上昇で、改定はなかった。
午後に入り公表された9月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨への反応は限られた。議事要旨によると、参加者の大半が経済の先行きは依然として非常に不透明と判断していたことが分かった。金融市場の状況や潜在的な原油価格ショック、労働組合のストライキの影響など、先行きをめぐる不確実性の高まりが背景にある。
主要通貨に対するドル指数は一時2週間ぶりの安値となる105.550を付けた後、終盤はほぼ変わらず。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は、PPIでは「ホット」な内容も垣間見られたものの、「ディスインフレのプロセスは継続しているという楽観的な見方がある」と指摘。今週、「米連邦準備理事会(FRB)当局者のハト派的な発言が続いたことで、市場はFRBが利上げを終了する可能性があると確信した」と述べた。
ウォラーFRB理事は11日、市場金利の上昇がインフレ鎮静化につながる可能性があるため、FRBは金利の動向を見守る姿勢だと述べた。金融情勢の引き締まりが「われわれのために仕事の一部」を担う態勢が整っているとも指摘した。
投資家は金利動向を見極めようと、12日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)に注目する。イスラエル情勢も注視している。
英ポンド/ドルは3週間ぶりの高値となる1.2337ドルを付けた後、終盤は0.2%高の1.23105ドル。
ユーロ/ドルは一時9月25日以来の高値となる1.0634ドルまで上昇。その後は0.08%高の1.0614ドル。
欧州中央銀行(ECB)の調査によると、ユーロ圏の消費者はインフレ率があと3年間、ECBの目標である2%をやや上回ると予想している。
また、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は11日、「インフレ率を目標に戻すために重要な進歩を遂げたが、まだ前途は長く険しい」との認識を示した。
ドル/円 NY終値 149.15/149.17
始値 148.69
高値 149.34
安値 148.67
ユーロ/ドル NY終値 1.0617/1.0621
始値 1.0600
高値 1.0634
安値 1.0581
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