スリランカ債務再編、迅速な合意に向け「引き続き連携」＝神田財務官

Leika Kihara　Takaya Yamaguchi

［マラケシュ（モロッコ）／東京　１１日　ロイター］ - 神田真人財務官は１１日（日本時間１２日）、スリランカの債務再編合意に向け、引き続き債権国などと緊密に連携していく考えを示した。イスラム組織ハマスとイスラエルの交戦激化の影響を注視する考えも示した。モロッコのマラケシュで記者団に語った。

スリランカ債務再編合意に先立ち、神田財務官は「大きな進展があるのは事実で、着実に合意に近づいていると考えている」とし、共同議長を務めるフランス、インドとともに連携して「しっかり迅速に合意できるよう前進したい」と述べた。

一方、合意に向けては「残っている技術的論点も少なからずある」との認識も示し、国際通貨基金（ＩＭＦ）・世界銀行の年次総会中にＭＯＵ（基本合意書）を交わせるかは「それほど簡単ではない」と述べた。

巨額債権を抱える中国の正式な参加に関しては「今でも招待している。（中国も）オブザーバーとして参加している」との言及にとどめた。「一定の連絡は取っているが、それ以上はコメントを控える」とした。

不安定化する中東情勢に関しては、１２日の主要７カ国（Ｇ７）財務相・中央銀行総裁会議で「そういうことが議論になることは十分想定される」との認識も示した。

神田財務官は「今の状況がより悪化するのか、他に波及するのかまだみえないところがある」とする一方、今後の動向を注視し「必要に応じてしっかり対応することになる」と述べた。