- 2025/05/19 掲載
米ケーブルTVチャーター、同業コックスを219億ドルで買収合意
2社はケーブルテレビと高速インターネット回線の事業で米トップクラス。合併が当局に承認されれば、ケーブルテレビと高速回線企業で首位のコムキャストを超え、約3800万人の加入者を抱える巨大企業が誕生することになる。
今回発表の経営統合の規模は今年世界最大クラス。企業の合併・買収(M&A)としては、第2次トランプ政権下で初めて審査を受ける大型案件の試金石の一つとなる。
合併審査は司法省の反トラスト部門が担当する見通し。所管するゲイル・スレーター司法次官補は、競争減少によって消費者や労働者に害が及ぶ合併かどうかに審査の焦点を当てる考えを表明している。
チャーターは高速ネット回線と携帯電話回線事業の一体化戦略を描く。米国では、携帯電話業者が積極的な格安プランでネット顧客を引き寄せ、数百万人が従来のケーブルテレビ契約からストリーミング契約に移行している。
チャーターのクリス・ウィンフリー最高経営責任者(CEO)は「技術革新に加え、高品質で競争力のある価格で商品提供する能力を強化する方針だ」と合併の狙いを述べた。
計画では2026年半ばに買収手続きを完了し、その後3年以内に5億ドルのコストを削減することを念頭に置いている。
現金と株式を組み合わせた取引により、チャーターはコックスの約126億ドルの純有利子負債(ネット・デット)とその他負債を引き継ぐ。コックスの企業価値は345億ドルと評価された。
コックス親会社で家族経営のコックス・エンタープライゼズは合併後の新会社株式の約23%を保有する。
合併手続きの完了後1年以内に新会社名は「コックス・コミュニケーションズ」に変更し、チャーターが現在手がけている消費者向けブランドは「スペクトラム」として残す。
複数の報道によれば、チャーターとコックスは2013年に合併を検討後、この話はいったん棚上げされた。ただ、その後も断続的に交渉が繰り返されてきた。情報筋によると今年1月に交渉が改めて始まり、その後1カ月以内にチャーターがコックスに正式な買収提案を行ったという。
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