- 2025/05/19 掲載
独VW株主総会、統治体制に批判相次ぐ
VWは議決権の大半がポルシェとピエヒ両一族の持株会社ポルシェSEに掌握されている。
この日の総会で複数の主要株主は、VWのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)が傘下の高級スポーツメーカー、ポルシェのCEOを兼務している点を追求した。デカ・インベストメントのインゴ・シュパイヒ氏はブルーメ氏に対し「取締役会でのポストを1つ返上してほしい」と訴え、VWの統治構造が抱える利益相反が「深刻な評判の悪化と多大な金銭的損失」を招いていると主張した。
VWの株価は過去1年間で25%近く下げている。
ブルーメ氏とVW監査役会のハンスディーター・ペッチュ氏は、ブルーメ氏の両社CEO兼任がコスト削減に貢献していると反論した。
しかしユニオン・インベストメントのジャンヌ・ワーニング氏は「株主の批判を毎年無視するのではなく、一目瞭然の統治不全についに取り組み、修復すべきだ。VWがさらに深い危機に陥る前に」と強調した。
投資家4人は、電動化やデジタル化など重要な技術について取締役、監査役が専門性を欠いていることが業績の足を引っ張っていると主張。資産運用会社DWSのヘンドリック・シュミット氏は「市場ではなく権力がVWを支配しているという印象が強まっている」と直言した。
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