- 2025/05/20 掲載
雇用維持に不安の声=神奈川2工場、日産が閉鎖検討
日産自動車が、追浜工場(神奈川県横須賀市)と子会社の日産車体湘南工場(同県平塚市)の閉鎖を検討していることが明らかになった。両工場の従業員は計5000人規模。県内で日産と取引のある企業数は1700社以上とされる。閉鎖対象となる工場の関係者らからは雇用維持に対する不安の声が上がった。
17日に閉鎖の検討が報じられた追浜工場では19日朝、普段と変わらない出勤風景が見られた。ただ従業員からは「不安ではあるが、何も言われていないのでよく分からない」「不安がないと言えばうそだが、何も聞いていない」などの声が聞かれた。30代の男性派遣社員は「とりあえずびっくりした。社員さんも動揺している感じだ」と語った。
神奈川県は19日、非公開の緊急会議を開き、対応を検討した。黒岩祐治知事は終了後に記者団の取材に応じ、「県内の日産の存在感は非常に大きい。工場が閉鎖されれば影響は絶大だ」と強調。情報収集を急ぐほか、閉鎖が実施された場合、影響の最小化に努める考えを示した。
横須賀商工会議所の平松廣司会頭は同日、取材に対し「追浜工場からは大衆向けに人気車種が出て、横須賀の経済や雇用に対して非常に重要な位置付けだった」と述べた。しかし、最近は構造改革に関する日産の発表が相次いでおり、「(閉鎖は)選択肢の一つではあるだろうと思っていた」と話した。
【時事通信社】 〔写真説明〕日産自動車追浜工場の看板=19日午前、神奈川県横須賀市 〔写真説明〕緊急会議後、取材に応じる神奈川県の黒岩祐治知事=19日午後、神奈川県庁
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