- 2025/06/09 掲載
ECB、多少の物価下振れに過剰反応すべきでない=クロアチア中銀総裁
ECBは5日の理事会で政策金利引き下げを決めた。ただ来年の物価上昇率が1.6%にとどまると想定しながら、少なくとも来月の理事会では利下げを休止すると示唆している。
ブイチッチ氏は、エネルギー価格が底を打ち、経済の勢いが加速するのに伴って、物価上昇率は上昇する流れに戻ると予想。そうした中で物価上昇率が目標からわずかに変動しても金融政策によって微調整を行う必要はないとの考えを示した。
「(物価上昇率の)目標から上下双方向の数十ベーシスポイント(bp)の乖離は問題にならない。常に小幅の乖離が起きる以上、それを問題視すれば過剰反応することになる。金融政策は精密手術ではない」と強調した。
ポルトガル中銀のセンテノ総裁などECB理事会メンバーの一部は、ユーロ圏の物価上昇率が低くなり過ぎるのではないかと心配している。
しかしブイチッチ氏は、物価見通しに関するリスクは「(上下で)かなり均衡している」と説明した。一方でトランプ米政権に起因する世界貿易の緊張に関する「完全な不確実性」も存在すると警戒感をにじませた。
ECBによる量的緩和(QE)についてブイチッチ氏は、今後導入のハードルは上がると思うと発言。QEは2008年の金融危機や20年のコロナ禍などの局面で機能不全に陥った市場の安定化に役立つものの、物価押し上げを目的として何年も続けるとその効果は薄れてしまうと付け加えた。
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