• 2025/06/09 掲載

日銀、金融政策維持の公算 26年4月以降の国債買入は減額視野

ロイター

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Takahiko Wada

[東京 9日 ロイター] - 日銀は16、17日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決める公算が大きい。経済や物価は想定した通りに推移しているものの、関税を巡る日米交渉の帰すうや経済下押しの程度を見極める必要があるとの声が出ている。

国債買い入れ減額計画の中間評価を巡っては、2026年4月以降の減額ペースを現行の毎四半期4000億円で維持すべきとの見方と、ペース縮小が適切との声が出ており、縮小する場合は2000億円程度まで引き下げる案が有力となっている。

日銀は5月1日の展望リポートで経済・物価の見通しを引き下げたが、その後は「大きな構図に変化はない」(植田和男総裁)とみている。

物価は上振れ気味で推移しているとの見方もあるが、政府が安価な備蓄米放出の取り組みを進めていることで、コメ価格の先行きを見極めたいとの声がある。賃金上昇率が高い割にサービス価格の上昇は勢いに欠けるとの指摘もあり、不確実性が高い中で利上げを急がなくても、ビハインドザカーブに陥るリスクは低いとの声がある。

関税を巡っては、米中合意があったものの、不確実性が極めて高い状況が続いている。日銀内では、日米交渉の先行きが見通しづらいほか、半導体を巡る関税の動向も含め、経済の下押しがどの程度になるか、見極めが必要だとしている。仮に決定会合前に日米交渉が妥結したとしても世界的な不透明感がすべて払拭されるわけでなく、先行きを見極める姿勢だ。

<国債買い入れ計画、26年4月から1年間か>

日銀は今回の決定会合で国債買い入れの減額計画の中間評価を行う。26年3月までは現行計画を維持し、同年4月以降も減額を続ける公算が大きいが、焦点は減額ペースだ。

関係者によれば、市場の安定を維持しつつ、円滑に国債買い入れの減額を行っていくために、26年4月以降は四半期4000億円の減額ペースを落とすのが適切だとの声が出ている。ペースダウンの場合は2000億円が有力だが、他の選択肢もあるという。ただ、これまで四半期4000億円の減額を大きな支障なく進めてきたとの立場から、四半期4000億円の減額継続を支持する声も日銀内では出ており、コンセンサス形成には至っていない。

植田総裁は、買い入れ減額の予見可能性を確保するため、ある程度の期間の計画を示すことが適切だとしている。新たな計画期間は26年4月から1年間とすることが有力で、日銀内では、市場が大きく混乱した際に機動的に買い入れを増額したり、決定会合で計画そのものを変更できるような枠組みが必要だとの声が多い。

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