- 2025/06/10 掲載
中国BYDのEV大幅値下げでメーカー間の対立が激化
メーカー間の争いの発端となったのは長城汽車が2023年、BYDの売れ筋のハイブリッド車(HV)2車種が排ガス基準を満たしていないとして、中国の規制当局に通報したことにさかのぼる。BYDは当時、この主張を否定し、同社の車が中国の排ガス基準を満たしていると強調していた。
さらにBYDが最近、EVの最廉価モデルの最低価格を5万5800元(7771.05米ドル)に引き下げたことでEVの在庫一掃セールを引き起こした。
2人の情報筋によると、これを受けて商務省は自動車業界に対して価格競争をやめるように呼びかけ、先週開催した会議に自動車メーカーを呼び出した。この会議についてはブルームバーグが最初に報じた。
自動車ディーラーも、メーカーに対して在庫の安値での放出をやめるように要求している。
メーカー間の対立が再燃したのは、長城汽車の魏建軍会長が今年5月に価格競争について懸念を表明するとともに、排ガス基準を巡る規制当局の調査が続いていることを表明したことが契機となった。
BYDは、自動車業界の健全性に関する魏氏の発言を「憂慮すべきもの」として否定したが、排ガスの問題についてはコメントしなかった。
一方で、吉利汽車のビクター・ヤン副総裁は中国・重慶で7日開催された自動車会議で、同社が独自に排ガス試験を実施したところ長城汽車と同じ結論に達したとして公に支持した。ヤン氏は「魏氏は純粋で、正直な人物であり、私たちの業界の内部告発者だ」と訴えた。
9日に長城汽車に対してコメントを要請したものの、直ちには応じなかった。吉利汽車は追加のコメントを出すことを避けた。
排ガスの調査に関与している規制当局の1つである工業情報化省はコメント要請にはすぐに応じなかった。
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