- 2025/06/11 掲載
株主提案、過去最多110社超=不祥事、経営不振に厳しい目―6月総会
上場企業が6月の株主総会シーズンを迎えた。不祥事や業績不振といった経営課題を巡り、株主提案を受けた企業数は過去最多の113社に上る。独自の取締役人事案や株主還元の強化など、アクティビストと呼ばれる「物言う株主」の要求は年々、勢いを増している。
三菱UFJ信託銀行の集計によると、株主提案のうち、物言う株主を含む機関投資家から提案を受けた企業数も10日時点で51社と過去最多。自社株買いの要求など、株主還元に関する議案が多い。大和総研の吉川英徳主任コンサルタントは「アクティビストに限らず、株主権の適切な行使について関心が高まっている」と指摘する。
企業と大株主が真っ向から対立するのは、元タレントの性加害問題を発端にガバナンス(企業統治)不全が明らかになったフジ・メディア・ホールディングス。取締役11人を提案した会社側に対し、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが北尾吉孝SBIホールディングス会長兼社長ら12人を独自に擁立。委任状争奪戦に発展した。
香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントは、ガバナンスに問題があるとして化学メーカー、太陽ホールディングスの佐藤英志社長の解任を求めた。業績が悪化した日産自動車には、投資会社ストラテジックキャピタルが日産車体との「親子上場」解消を事実上、要求した。
株主提案に限らず、今後の経営方針も問われる。12日に開かれるトヨタ自動車の総会では、グループの源流である豊田自動織機の非上場化に伴うグループ再編の行方に株主の注目が集まりそうだ。
総会の集中日は27日。東証によると、3月期上場企業2224社の約25%に当たる562社が開催する。
【時事通信社】
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