- 2025/06/12 掲載
米株式ファンドから資金流出 欧州や新興市場へ
[11日 ロイター] - LSEGリッパーのデータによると、5月に米国の株式投資信託と上場投資信託(ETF)から247億ドルの資金が流出した。月間としてこの1年で最大だった。米国の財政政策や債務増、関税措置による景気後退リスクへの懸念が高まっていることが要因とみられる。一方、欧州のファンドは5月に210億ドル流入した。今年に入ってからの買越額は計825億ドル。新興市場株式ETFは5月に36億ドル流入。年初来の買越額は111億ドルとなった。
アナリストらは、ドル安や米国債の売り圧力により、安全資産としての米国への投資の魅力が低下し、通貨高となった市場への資金流入が進んだと指摘した。欧州市場は今年、より低い金利やドイツの1兆ユーロ規模の刺激策への期待感から、米国市場を上回るパフォーマンスを示している。
モーニングスターの欧州市場チーフストラテジスト、マイケル・フィールド氏は、米国から欧州へのシフトに関して、割安感に加え「投資家の間で米政権の措置が株式市場に悪影響となるという懸念があることから、中期的な動きの始まりとなる可能性がある」と述べた。
年初から、MSCI米国指数は2.7%上昇。一方、MSCI欧州は約20%、MSCIアジア太平洋は10%、それぞれ上昇した。
新興市場株式ファンドも、ファンダメンタルズの改善を背景に資金流入している。
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