- 2025/07/30 掲載
UBS、スイスの新資本規則対策で本社の海外移転を検討=関係筋
[チューリヒ/香港 29日 ロイター] - スイスの金融大手UBS は、同国政府が新たな資本規則を提案して以降、本社をスイスから移転する案を検証する必要性が高まっていると幹部に説明している。事情に詳しい関係者が語った。移転先の有力候補地としてロンドンが挙がっているという。
スイス政府は今年6月、UBSが海外子会社で損失が生じた場合に備えて海外子会社に対して現行の60%ではなく100%の資本を確保することを義務付ける措置を盛り込んだ改革を提案した。
この措置によりUBSは240億ドルの追加資本が必要になる可能性がある。
関係者によると、新たな資本規則への対応計画をUBSが検証した結果、本社を移転する最有力候補地の1つとしてロンドンが挙げられた。
関係者の話では、UBSは仮に新たな規則によって自社が弱体化すれば、将来に外国のライバルによる買収に対して強く対応できなくなる恐れがあると社内で警告している。
スイス連邦議会の議員によると、UBSは6月6日以降、提案された新資本規則を緩めるための議員への働きかけを強化してきた。
ただUBSの内部関係者でさえ、同社がスイスから去ることに積極的ではない。関係者はいずれも、UBSの主要な目標は資本規則を緩和することだという点で意見が一致している。
ただ、事情に詳しい関係者の1人は海外移転を念頭に、仮にそうだとしてもUBSの経営陣は、政府との間で妥結に至らなければ大胆な対応が必要になるかもしれないと考えていると話した。
UBSはロイターに対し、「極端な規制が株主にもたらす悪影響に対処する」ための適切な措置を検証しつつ、新たな規則を巡る協議プロセスに入ると説明した。
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