- 2025/09/16 掲載
仏、EU他国で認可の仮想通貨企業を認めない可能性も=AMF長官
[パリ 15日 ロイター] - フランスの証券市場監督機関、フランス金融監督庁(AMF)のマリーアンヌ・バルバラヤニ長官はロイターのインタビューで、他の欧州連合(EU)加盟国で認可された暗号資産(仮想通貨)企業であっても、フランスでは事業展開を阻止する可能性があると警告した。
EUは今年施行した暗号資産市場規制法(MiCA)で、暗号資産企業がEU加盟国から個別に認可を取得でき、これを「パスポート(旅券)」としてEU加盟27カ国全域で事業展開できると定めた。MiCAに対しては適用方法を巡って各国規制当局の不一致が既に浮き彫りになっており、一部であまりにも迅速に認可されているとか、越境企業への監督が十分なのかどうかという疑問が生じている。
ロイターが入手した文書によると、AMFとイタリア証券取引委員会(CONSOB)、オーストリア金融市場庁(FMA)の3当局は15日、主要な暗号資産企業の監督権限をパリの欧州証券市場監督機構(ESMA)へ移譲するように求めた。
3当局は「規制適用開始から数カ月で、各国当局による暗号資産市場の監督方法に大きな差異があることが明らかになった」とコメントし、EUレベルで直接監督することがより効果的な投資家保護につながると主張した。
ESMAの広報担当者は、暗号資産企業の認可と監督がEU全域で一貫性を保つように「精力的な取り組み」を続けると話した。
一方、AMFはロイターに対し、他のEU加盟国が認可すればEU域内で展開できる「パスポート制度」に異議を申し立てるという形で「核兵器」を行使する可能性を排除しないと訴えた。
ただ、AMFはどの企業の認可を異議申し立ての対象とするかや、その根拠については詳細を明らかにしなかった。
バルバラヤニ氏は「わが国はEUのパスポートを拒否する可能性を排除しない」とし、「法的に非常に複雑で、単一市場にとってあまり良いシグナルとは言えない。いわば『核兵器』のようなものだが(中略)それでも私たちが保持する選択肢の1つだ」と言及した。
さらに、暗号資産企業が「欧州全域で規制状況を比べ、他国より少ない要件で認可を受けられる緩い国を探している」と指摘したが、具体的な事例は示さなかった。
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