- 2025/09/16 掲載
英雇用7カ月連続減、賃金伸び鈍化 失業率4.7%
William Schomberg Suban Abdulla
[ロンドン 16日 ロイター] - 英国の雇用者数が7カ月連続で縮小し、賃金の伸びも鈍化したことが公式統計で明らかになった。一方で、企業が雇用拡大に前向きな姿勢を示している兆候も見られた。
税務署データに基づく8月の雇用者数は暫定で7月から8000人減少し、2月から7カ月連続で減少した。7月は8000人減から6000人減に修正された。
KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「一部の企業は税制改正の行方がより明確になるまで採用決定を延期する可能性がある」と述べた。
イングランド銀行(英中央銀行)が注視する民間部門の5─7月の賃金の前年比伸び率は4.7%で4─6月の4.8%から鈍化した。
ボーナスを除いたベースでは前年比4.8%増で、4─6月の5.0%増から減速した。ただ英中銀のインフレ目標2%と一致すると見られる約3%は引き続き上回った。ロイターがまとめたエコノミストの予想と一致した。
キャピタル・エコノミクスの英国担当エコノミスト、アシュリー・ウェッブ氏は「今日のデータはインフレ上昇リスクに対する英中銀の懸念を和らげる助けにはあまりならないだろう」と述べた。
投資家は少なくとも6カ月間は利下げはないと予想している。
6─8月の求人数は72万8000件。2021年2─4月以来の低水準だった5─7月から回復した。国立統計局(ONS)によると、3カ月ベースの求人数が前月比で増加したのは2023年12月─24年2月以来となる。
ドイツ銀行の英国担当チーフエコノミスト、サンジェイ・ラジャ氏は、企業による人員削減の波は一段落したとみられる一方、政府予算を巡る不確実性から採用は抑制される可能性が高く、賃金改定も年内にかけてやや鈍化するとの見方を示した。
「これは今後の道のりが、調査データが示唆するほど困難ではないかもしれないという安心感を与えるはずだ」と述べた。
5─7月の失業率は4.7%で21年第2・四半期以来の高水準を維持した。
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