- 2025/09/17 掲載
インドネシア中銀、予想外の利下げ 成長押し上げ狙い
[ジャカルタ 17日 ロイター] - インドネシア中央銀行は17日、経済成長を強化する必要があるとして、前月に続いて予想外の利下げを実施した。利下げは昨年9月に金融緩和サイクルを開始して以来6回目となる。
主要政策金利である7日物リバースレポ金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、2022年終盤以来の低水準となる4.75%とした。ロイターが調査したエコノミスト31人全員が据え置きを予想していた。
翌日物の預金ファシリティー金利は50bp引き下げ3.75%、貸し出しファシリティー金利は25bp引き下げ5.50%とした。
ペリー・ワルジヨ総裁は記者会見で、経済成長の押し上げを目指し追加利下げの余地を引き続き検討していくと表明した。中銀は昨年9月以降、主要金利を合計150bp引き下げている。
銀行システムには融資と経済成長を支えるのに十分な流動性があると強調し、各行に対し金利引き下げを促した。
総裁は、緩和サイクルでルピアの安定維持と成長支援の必要性のバランスを取らなければならなかったと発言。
オンライン会見で「経済成長は依然として潜在力を下回っており、需要を押し上げる必要がある」とし、金融市場の安定を維持しながら経済成長を支援するために「全力を尽くしている」と述べた。
同国では8月下旬から約2週間にわたって多くの都市で抗議活動が発生。先週には高く評価されていたスリ・ムルヤニ財務相が突然解任され、市場が動揺している。
また、中銀の独立性に対する懸念も浮上している。政府は、中銀が国家事業の資金を手当てするために政府預金に支払う利息を増やす「負担分担」策で合意したと発表。国会では経済成長を支援する中銀の責務を強化する案や、中銀総裁の解任を大統領に勧告する権限を国会に付与する案が議論されている。
また、プルバヤ新財務相は、中銀がこれまで流動性を過度に引き締め続けてきたとし、政府資金200兆ルピア(121億5000万ドル)を国内金融システムに投入し、融資拡大を促す方針を明らかにした。
ワルジヨ総裁は、流動性は潤沢で融資は実行可能だが、企業が様子見姿勢にあるため、借入需要が弱いと指摘した。
ただ、総裁は、政府資金を移動するというプルバヤ氏の決定と、第4・四半期に10億ドルの新たな景気刺激策を導入する計画を歓迎し、内需の押し上げに役立つ可能性があると述べた。
DBSのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「中銀は、今週予想される米利下げで、両国の金利差が再び拡大し、2025年第4・四半期に国内金利を引き下げる余地が広がると考えているのだろう」と指摘。
「市場は中央銀行の責務を拡大する計画の行方を注視するだろう」と述べた。
ワルジヨ総裁は国会の法案に関する質問には答えなかった。
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