- 2025/09/19 掲載
多国発行ステーブルコインの規則明確化するべき=イタリア中銀副総裁
[ローマ 18日 ロイター] - イタリア銀行(中央銀行)のキアラ・スコッティ副総裁は18日、国際決済に関する中央銀行会議で講演し、欧州連合(EU)が利用者保護のために、国境を越えて同一のステーブルコインが発行される場合の規則を明確化し統一基準を設けるべきだと述べた。
ステーブルコインは法定通貨やコモディティーに連動する暗号資産(仮想通貨)で電子マネートークン(EMT)とも呼ばれる。EU欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)はステーブルコインを巡って意見が対立している。
欧州委は認可を受けたEU域内の企業の発行したEMTが同一企業のEU域外の子会社のEMTと、いわゆる「多国発行モデル」の下で交換できるとEUが認めるかどうかを明確にするよう求められている。
ロイターの6月の報道によると、欧州委はEU規則で交換可能だと解釈できると考えている。しかしECBは金融安定上のリスクを警告している。
スコッティ氏は「立法上または基準設定上で明確化するのは時宜を得ており、かつ有益だ」と述べた。
スコッティ氏によれば、EUのステーブルコインの発行体は多国発行モデルの下で、域外の保有者から償還を請求される可能性がある。この場合、第三国の子会社が準備資産の不足を補うため資産移転することが想定されるという。
スコッティ氏は「この仕組みは世界的な流動性と拡張性を高めうるが、とりわけ発行体がEU域外にある場合、EUレベルで法的に重大で、また運用・流動性・金融安定上深刻なリスクが生じる」と述べた。
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