- 2025/09/20 掲載
追加利上げ時期、焦点に=ETF処分、将来世代に先送り―日銀
日銀は19日の金融政策決定会合で、5会合連続で政策金利の維持を決めた。ただ、政策委員9人のうち2人が利上げを主張。1月に続く追加利上げの時期が焦点となる。会合では上場投資信託(ETF)の売却も決定。市場には「サプライズ」となったが、すべてを処分するには100年以上かかり、異例の金融緩和の後始末は将来世代に先送りされることになる。
「クリスマス商戦は一つの大事なポイントだ」。植田和男総裁は会合後の記者会見で、利上げを判断する上で重視している米関税政策の影響を見極めるタイミングについてこう指摘した。しかし、「その前にかなりのことが分かるケースもあるし、クリスマスまで待っても分からないケースもある」とも語り、判断の難しさをにじませた。
会合では田村直樹、高田創両審議委員が0.75%への利上げを提案。市場では「早期利上げに向けた道筋づくりの意図があったのではないか」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)との見方も浮上する。ただ、石破茂首相の退陣表明に伴う政局の混乱もあり、先行きは不透明だ。
日銀は今回、大規模緩和の一環として購入したETFの売却を決めた。昨年3月の大規模緩和終了で新規買い入れを停止し、売却方法を探っていたが、株価への影響に配慮して売却ペースを年6200億円(時価ベース)にとどめた。
19日の東京株式市場では、朝方に取引時間中の最高値を更新したものの、日銀の決定を受けて需給への懸念が台頭。一転して一時800円を超える値下がりを演じた。
もっとも、日銀のETF保有額は約70兆円(同)に上り、すべて売却するには100年以上かかる計算だ。植田総裁は「最後まで私は見届けることはできないが、ある程度(売却の)プロセスが順調に進んでからでないと全体の評価は難しい」と語った。
【時事通信社】
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