- 2025/11/05 掲載
日鉄、純損益を600億円の赤字に下方修正 米市場不透明などで
Ritsuko Shimizu
[東京 5日 ロイター] - 日本製鉄は5日、2026年3月期の連結純損益(国際会計基準)を400億円の赤字から600億円の赤字(前期は3502億円の黒字)に下方修正した。
米国市場の不透明感が強いことを踏まえたUSスチールの業績の見直しに加え、持ち分法適用のブラジル鉄鋼大手ウジミナスの保有分売却により事業再編損を計上したことなどによる。
事業利益予想は4800億円から4500億円に引き下げた。マージンやコスト改善は前回見通しに比べて進んだものの、USスチール関連のマイナス影響が利益を押し下げる。
7月から業績に取り込んだUSスチールは、米国鉄鋼市況が足元では当初想定した水準を大きく下回っていることに加え、設備トラブル等による一過的なコスト悪化や、米国市場の不透明感が強いことから「今期の実力ベース事業利益への貢献は織り込んでいない」という。今後については、戦略的な設備投資や日鉄の最先端技術を導入することで「コスト低減や付加価値向上を通じて収益力の早期強化を図っていく」としている。
日鉄は年内をめどに中長期経営計画・長期ビジョンを策定・公表を予定している。
事業再編損としては、これまで計上していた合弁会社AM/NSカルバートの日鉄持ち分の売却2320億円に加え、持ち分法適用のブラジル鉄鋼大手ウジミナスの保有分売却により210億円を計上する。
単独粗鋼生産量計画は3450万トン程度で据え置いた。鋼材価格は1トン当たり13万8000円程度で前期実績の14万2100円から下落を見込んでいる。
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