- 2025/11/07 掲載
テスラ株主、マスク氏への8780億ドル報酬計画承認 向こう10年で
Abhirup Roy Akash Sriram
[サンフランシスコ 6日 ロイター] - 米電気自動車(EV)テスラの株主は6日、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する向こう10年で最大8780億ドルの報酬計画を承認した。テスラをAIとロボット工学の巨大企業に変貌させるというマスク氏のビジョンが支持された形だ。
同社の株価は引け後の時間外取引で約1%上昇した。提案は75%以上の支持を得て承認された。
マスク氏は踊るロボットとともに総会に登壇し、「これから私たちが始めるのはテスラの未来における単なる新たな章ではなく、全く新しい物語だ。本当に素晴らしい物語になるだろう」と語った。
株主はまた、3人の取締役を再選した。全取締役の年次選挙を実施するよう取締役会に求める提案にも賛成した。法的闘争で以前の報酬パッケージが保留されているマスク氏の代替報酬計画にも賛成票を投じた。
さらに、テスラがマスク氏のAIスタートアップ企業xAIに投資することも支持した。ただ、棄権票も多かった。
テスラによるxAIへの投資を巡っては利益相反の懸念が浮上しているが、テスラの自動運転への野望は重要なAI技術にかかっており、xAIはテスラのような大口顧客から利益を得ることになるため、この動きは両社に広く利益をもたらすとみられている。
マスク氏は以前の報酬パッケージを巡る訴訟が続くデラウェア州からテキサス州にテスラの拠点を移した後、保有する約15%株式の議決権を全て行使することが認められており、今回の報酬案承認は広く予想されていた。
ノルウェーの政府系ファンドや米議決権行使助言大手のグラス・ルイス、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)など一部の主要投資家は、株主価値を下げる可能性があるとして報酬案に反対していた。
テスラの取締役会は報酬案が承認されなければマスク氏は経営から退く可能性があると述べていた。
新たな報酬案ではマスク氏は10年間で8780億ドル相当のテスラ株を得る可能性がある。最大1兆ドル相当の株式を受け取る可能性があるが、テスラへの一部返済義務も生じる。
取締役会や支持を表明した多くの投資家は、マスク氏が報酬を受け取るにはテスラが一連のマイルストーンを達成する必要があるため、約1兆ドルの報酬パッケージは長期的には株主に利益をもたらすと述べている。
マスク氏の今後10年間の目標には車両2000万台の納入、ロボタクシー100万台の運行、ロボット100万台の販売、最大4000億ドルの実質利益達成などが含まれている。しかし、マスク氏が報酬を得るためにはテスラ株の時価総額が現在の1兆5000億ドルから2兆ドル、そして最終的には8兆5000億ドルまで増加する必要がある。
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