- 2025/11/12 掲載
GM、部品メーカーに供給網の「脱中国」働きかけ 生産リスク回避
[デトロイト 12日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が、部品メーカーなど、数千のサプライヤーに対し、部品や資材のサプライチェーン(供給網)の「脱中国」を働きかけていることが複数の関係者の話で分かった。米中対立が生産現場に多大な影響を及ぼしていることが背景。
関係者によると、GM幹部はサプライヤーに、中国以外の調達先を探すよう指示している。最終的に供給網から中国を完全に排除することを目標とし、一部サプライヤーには2027年という期限を設定しているという。
GMは24年終盤に一部サプライヤーに脱中国依存を働きかけていたが、今年1月に第2次トランプ政権が発足し、春に米中貿易摩擦が激化するとGM内で喫緊の課題に浮上したという。
脱中国依存の取り組みは、北米で生産する自動車の部品や原材料が対象。このほか、米政府が国家安全保障上の懸念から取引を規制しているロシアやベネズエラも、供給網から除外すべき国としている。
バーラ最高経営責任者(CEO)は10月、四半期決算発表後の電話会議で「この数年、供給網の強靭性強化に取り組んできた」と述べ、可能な限り製造する国で部品を調達するようにしていると説明した。
グローバル購買責任者のアミン氏は先月の会議で、供給途絶リスクを鑑み、コスト一辺倒の調達から脱却せざるを得なくなったとし「供給網をもっと管理し、何がどこに供給されるか正確に把握することが重要だ」と語っていた。
<サプライヤーに負担>
部品メーカーが、中国を除外した形に供給網を再構築するのはコストがかかり、複雑さを伴う。照明や金型などの分野は中国が圧倒的なシェアを持ち、代替調達先を見つけるのは難しいと、ある大手部品メーカー幹部は指摘する。
自動車部品メーカーの団体MEMAのコリン・ショー代表は、自動車会社や大手の下請けは、中国などからの原材料調達を削減して、供給網の「リスク回避」に取り組んできたと述べた。しかし汎用部品や原材料の、中国国内のネットワークは深く根付いているため、代替品を探すのは容易ではない。
「場合によっては20年、30年かけて築いたものを、数年で変えようとしている。そんなに早くは無理だ」と語った。
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