- 2025/11/26 掲載
豪CPI、10月は前年比+3.8%に加速 緩和サイクル終了の見方も
Stella Qiu
[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリア統計局が26日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.8%上昇し、4カ月連続で加速した。市場予想の中央値(3.6%)も上回った。インフレ加速を示唆する内容で、現在の金融緩和サイクルが終了したとの見方が強まった。
統計を受け、豪ドル/米ドルは0.2%上昇し、0.6480米ドルを付けた。3年物国債先物は7ティック下落の96.17ドルとなった。市場が織り込む来年5月の最後の利下げの確率は27%と、発表前の40%から低下した。
コアインフレ率の指標として注目されるトリム平均値は前年比3.3%上昇し、9月の3.2%上昇から加速した。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアの経済調査責任者、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「全体として、かなりひどいインフレ率だ」とし、オーストラリア準備銀行(中央銀行)による「利下げの可能性が低下した。利上げの可能性も排除できない」と述べた。
今回のデータは統計局が発表する初の完全な月次CPIで、従来の部分的な月次データに代わるものとなる。ただ中銀は、新たなデータは変動しやすいため、インフレ動向をより的確に把握するには四半期ごとのデータの方が依然として望ましいとしている。
第3・四半期のCPI上昇率は前年比3.2%に急加速し、中銀のインフレ目標である2─3%を上回った。これにより、今年3回の利下げ後も、金融政策が制約的ではない可能性への懸念が高まった。
データの詳細は、サービス部門における物価上昇圧力の高まりを示唆しており、同部門のインフレ率は10月に前年比3.9%と、9月の3.5%から加速した。
住宅インフレ率は前年比5.9%と、前月の5.7%を上回った。
デロイト・アクセス・エコノミクスのパートナー、スティーブン・スミス氏は「中銀は現在、経済成長を支える一方でインフレ率を2─3%に戻すという好ましくない立場に立たされている。この難しいバランス調整は中銀にとって悪夢だ」と指摘。一方で「良いニュースは、新たな月次CPIにより、従来の四半期ごとのデータに比べて経済全体の物価圧力をより頻繁に中銀に提供できるようになり、金融政策失敗の恐れが減ることだ」と述べた。
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