- 2025/11/26 掲載
ステランティス会長、欧州自動車産業の「衰退リスク」警告
[トリノ 25日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスのジョン・エルカン会長は25日、欧州連合(EU)が炭素排出量削減目標を緩和し、自動車メーカーに経営の柔軟性を認めなければ、欧州の自動車産業は「取り返しのつかない衰退」のリスクにさらされると警鐘を鳴らした。
EU欧州委員会は12月10日に自動車業界向けのEU炭素排出規制の見直しに向けた一連の提案を発表する予定。
エルカン氏はフィアットの本拠であるトリノで行った小型車「フィアット500(チンクエチェント)」の新型ハイブリッド車の生産開始を記念するイベントで、自動車業界は排出目標について柔軟性を高めるための一連の提案を策定しており、これにより懸念される衰退を回避できると発言。「欧州で建設的かつ合意された方法で排出量を削減し、失われた成長とニーズを取り戻す別の方策がある」と訴えた。
業界の提案には、2035年以降もプラグインハイブリッド車(PHEV)や航続距離を延ばすために補助動力装置を搭載したエクステンダー式電気自動車(EV)および代替燃料車の利用を認めること、30年代の排出削減中間目標を複数年にわたって平均化すること、広範な車両スクラップ制度の導入、小型車生産を優遇する方向への規制の調整などが含まれる。
欧州の昨年の自動車登録台数は約1300万台で、コロナ禍前に当たる19年の1580万台をなお下回っている。
アントニオ・フィローサ新最高経営責任者(CEO)は同じイベントで、欧州当局と長期にわたり深いレベルで協議してきたが、今や業界には「緊急かつ決定的な行動」が必要だと強調した。
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