• 2025/11/27 掲載

政策調整、注意深く適切に 「遅すぎず早すぎず」=野口日銀委員

ロイター

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Takahiko Wada

[大分市 27日 ロイター] - 日銀の野口旭審議委員は27日、大分県金融経済懇談会後の記者会見で、政策調整について「非常に注意深く適切に、遅すぎず早すぎずやらなければならない状況に入っている」と述べた。物価目標に近づくほど「政策調整が遅れることによるさまざまなゆがみや経済・物価を上振れさせてしまうマイナス面が強くなる」と述べた。

基調的な物価上昇率については「2%に近づいてはいるが、達してはいない」と述べた。市場では12月か来年1月の利上げ観測が強まっている。野口委員は「どのくらいのペースで政策調整していくかは今後のデータ次第」と述べた。これまで日銀は政策調整を非常に慎重にやってきたし「今後もそうだと思う」とも話した。

利上げ再開に当たり、最も重要なのは来年の春闘に向けた賃上げの状況だとした。ただ「春闘というイベントだけをとらえて日本の賃上げ動向を判断するのはそれほど簡単ではない」と話した。

野口委員は9月の講演で、日本の各種経済指標を確認すると、2%の物価目標達成が着実に近づいており「政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」と述べていた。しかし、この日の大分市での講演では、米経済の下振れリスクの後退を受けて利上げ再開に理解を示す一方で、慎重な政策調整を求めた。会見で野口委員は、自身の政策スタンスが9月時点と大きく変わったわけでは全くないと話した。

<利上げによる物価抑制、「政府と齟齬あるとは考えず」>

野口委員は、為替円安の物価への影響に警戒感を示した。食料インフレが今後収まっていくとの見通しを巡って「為替次第でその見通しがかなり後ずれする可能性が十分ある」と指摘。また「ここからさらに円安が過度に進むとか、それが定着するとなると、基調物価に影響してくる可能性は十分にある」と語った。

政府の経済対策と日銀の利上げの整合性について、リフレ派として知られる野口委員は「景気が悪くなっているから財政は吹かす、金融も緩和するという単純なものではなくなってきている」と語った。その上で、日銀が利上げで緩和度合いを落とし、物価抑制を図ることは「政府とそれほど齟齬があるとは考えていない」と述べた。

存立危機事態を巡る高市早苗首相の発言を機に日中関係が急速に悪化している。野口委員は「こういったショックは経済につきものだ」と指摘。「こうしたショックが長引いて、経済の基調を揺るがすような事態になるのかが一番大きな問題」と述べた。目先の状況悪化にうろたえることなく、乗り越えていくことが重要だと語った。

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