- 2026/03/27 掲載
NY市場サマリー(26日)ドル上昇、利回り一段上昇 株急落・ナスダック調整入り
<債券> 国債利回りが一段と上昇した。中東情勢の緊張の高まりを受け、市場では原油価格の上昇とインフレ継続を巡る懸念が意識されている。 10年債利回りは7.8ベーシスポイント(bp)上昇の4.404%。金利動向に敏感な2年債利回りは8.6bp上昇の3.967%。 2年債と10年債の利回り格差は43.64bpとなった。中東情勢を巡っては、トランプ大統領がイランと協議を行っていると主張する中、イランのアラグチ外相は25日、イランと米国との間でいかなる協議も行われ?ていないと述べ、双方の主張に食い違いがみられた。こうした中、トランプ氏は26日、イランが紛争終結に向けた合意に応じなければ、さらなる攻撃に直面すると警告した。 ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネージング・ディレクター、トム・ディ・ガロマ氏はメモで、「中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇に伴い、国債利回りが上昇している」と指摘。トランプ大統領がさらなる攻撃を警告する中「銀行や資産運用会社が保有債券を売却したことで、アジア太平洋地域(APAC)と欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)の取引時間中に利回りが上昇した」と述べた。 こうした中、米金利先物市場では先週から年内の利上げ観測が織り込まれつつある。市場は4月の連邦公開市場委員会(FOMC)で95.9%の確率で利上げが行われないとみる一方、年内に32.6%の確率で利上げが行われるとの見方を織り込んでいる。 供給面では、米財務省がこの日実施した440億ドルの7年債入札は需要が低調だった。需要を示す重要な指標である入札倍率は2.43倍で、平均の2.5倍を小幅下回った。 入札後、7年債利回りは上昇し、終盤では10.7bp上昇の4.253%となった。 BMOキャピタル・マーケッツの米金利ストラテジスト、ベイル・ハートマン氏は週内に実施された2年債、5年債入札も軟調な結果に終わったことを踏まえ、「入札結果は、原油価格の高騰に伴い既に生じていた売り圧力に間違いなく拍車をかけた」との見方を示した。
<株式> 急落。ナスダック総合は2%以上下落し、調整局面入りを確認した。S&P総合500種とダウ工業株30種も1%以上下落した。イラン情勢の緊迫化への懸念が相場を圧迫した。 ナスダックとS&P500の下落率は1月20日以来の大きさとなった。トランプ米大統領は、イランが米国と合意に達しなければ攻撃を継続すると述べたほか、イランの石油を支配することは選択肢の一つだと警告した。一方、イランの高官はロイターに対し、交戦終結に向けた米国の提案は「一方的で不公平だ」と述べた。その上で、外交は終わっていないとした。引け後、トランプ氏がイラン政府の要請を受け、4月6日までの10日間、イランのエネルギー施設への攻撃を停止すると表明したことで、株価指数先物は下落幅をわずかに縮小した。トランプ氏は交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランとの協議が「非常に順調に進んでいる」と述べた。 ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバル株式ストラテジスト、ダグ・ビース氏は「一進一退の攻防が加速しているようだ。その上、トランプ氏が誰と交渉しているのか分からない」と指摘。矛盾するシグナルが多く、戦争を巡る不確実性が株式の売りを招いていると語った。 ハイテク株が中心のナスダックは、昨年10月29日に付けた終値での過去最高値を10.7%下回り、調整局面に入っていることが確認された。 S&P500の主要11業種は大半が下落。上昇したのはエネルギー(1.6%高)とディフェンシブセクターの公益事業(0.2%高)の2業種のみだった。 最も下落率が大きかったのは通信サービス(3.5%安)で、次いで情報技術(2.7%安)だった。米ロサンゼルスにある裁判所の陪審団は25日、未成年者の交流サイト(SNS)依存を巡り有害なプラットフォームを設計したとして、アルファベット傘下グーグルとメタ・プラットフォームズに法的責任があるとの評決を下した。メタは8%近く下落、アルファベットは3%以上下落した。 テクノロジーセクターでは、半導体株が大きな重しとなった。3営業日続伸していたフィラデルフィア半導体指数は4.8%急落した。エヌビディアは4%超下落。
<金先物> 米イスラエルとイランの早期停戦期待がしぼみ、ドル高・原油高が進行したことを嫌気して反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比176.00ドル(3.8 7%)安の1オンス=4376.30ドル。これは1月初旬以来約3カ月ぶりの安値。
イラン国営メディアは25日、イランは米側が要求する核開発放棄など15項目の停戦計画の受け入れを拒否した上で、交戦被害の賠償など5項目を停戦の条件として提示した と報じた。トランプ米大統領は、パキスタンなどを仲介役とした交渉への意欲を示すが、 一方で26日朝には「手遅れになる前に真剣になった方がいい。いったんそうなれば後戻りはできない」とSNSに投稿。報道によると、米政権はイランの主要原油積み出し拠点 であるカーグ島を攻略するため、陸軍空挺(くうてい)部隊の派遣も準備しているもよう で、双方が早期に停戦で合意するとの観測は後退した。
これを受け、外国為替市場では基軸通貨のドルが買われ、ドル建て商品の割高感が増大。また、エネルギー供給途絶の長期化を懸念し、英国産北海ブレント、米国産標準油種WTIの両先物相場も大幅反発した。25日に発表された2月の米輸入物価指数は、油価高騰を背景に約4年ぶりの高い伸びを記録しており、インフレが進行すれば、利下げ再開が遅 れるとの見方も利回りを生まない金を圧迫した。
<米原油先物> 中東情勢が早期に鎮静化するとの観測が後退したことで約5%上昇した。 清算値は、北海ブレント先物<LCOc1>が5.79ドル(5.7%)高の1バレル=108.01ドル、米WTI先物が4.16ドル(4.6%)高の94.48ドル。 マタドール・エコノミクスのチーフエコノミスト、ティモシー・スナイダー氏は、米国とイランの主張が食い違っていることに言及し、「双方から出てくる情報の真偽を巡り市場は混乱している」と指摘。 MUFGのアナリスト、キム・スジン氏は「軍事的緊張のエスカレーションが続き、兵力展開や新たな攻撃が相次ぐ中、イランによる厳格な統制でタンカーの動きが制限されており、世界のエネルギー市場には引き続き強い圧力がかかっている」と述べた。
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