• 2021/01/16 掲載

NY市場サマリー(15日)ダウ177ドル安、ドル4週間ぶり高値

ロイター

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[15日 ロイター] - <為替> ドルが幅広く上昇し、主要通貨バスケットに対し4週間ぶりの高値を付けた。経済指標によって新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的影響の持続が示され、安全通貨としての買いが強まった。

米商務省が15日発表した2020年12月の小売売上高は前月比0.7%減と、落ち込みが続いた。新型コロナの感染拡大を抑えるための封鎖措置が改めて導入される中、外食が減ったほか商業施設への客足が遠のいた。米経済が年末に大幅に減速したことを示した。市場予想は横ばいだった。

これを受け、米債利回りが低下し米国株が下落。投資家はリスク回避姿勢を強めた。

テンパスのシニア為替トレーダー、フアン・ペレス氏は「ワクチンを巡る楽観論があったが、足元ではワクチン普及がかなり遅れているという現実を目の当たりにし、それが企業活動に重くのしかかっている」と指摘。ワクチンが普及し安心感を得るまでは、財政支援があっても市場が継続的に活況を呈することはないとした。

バイデン次期大統領は14日、1兆9000億ドル規模の新たな景気対策案を発表した。新型コロナの感染拡大で打撃を受けた国内経済を回復させるため、積極的に財政出動を行い、迅速に対処する必要があると強調した。

ドル指数は0.56%高の90.773。週間では0.8%上昇と直近11週間で最大の上昇率となる見込み。

新型コロナ感染者の増加もリスク選好を抑制。中国本土で14日に新たに確認された新型コロナ感染者は144人に達し、202人の新規感染を確認した3月1日以来10カ月強ぶりの多さとなった。

米労働省が15日に発表した20年12月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.3%上昇と、前月の0.1%に続き緩やかな上昇にとどまった。インフレは向こう数カ月で上昇すると予想されているが、懸念の必要はないとみられる。

MUFGの通貨ストラテジスト、デレック・ハルペニー氏は顧客向けノートで「ドルが短期的に一段高となる可能性はあるが、ドルの大局的な環境は依然ネガティブ」とした。

世界的なリスク回避を受けポンドも0.8%下落。英国立統計局(ONS)が発表した11月の国内総生産(GDP)は前月比2.6%減少し昨年4月以来のマイナスとなった。

<債券> 昨年12月の米小売売上高が予想を下回ったことを受け、国債利回りが低下した。市場では週初に見られた利回り上昇は行き過ぎとの見方が出ている。

バイデン次期大統領は14日、1兆9000億ドルの新景気対策案を発表したが、発表前に国債利回りが上昇していたこともこの日の国債利回り低下につながった。

終盤の取引で10年債利回りは1.094%と、新景気対策案発表前の1.138%から低下した。12日には1.187%と10カ月ぶりの高水準を付けていた。

商務省発表の2020年12月の小売売上高は前月比0.7%減と、市場予想の横ばいに反して減少。11月の小売売上高は当初発表の1.1%減から1.4%減へ下方改定された。

BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の米金利戦略部門責任者、イアン・リンゲン氏は「小売売上高が予想より軟調だったことで、一段の景気刺激策の必要性が改めて確認された」と指摘。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いていること、連邦準備理事会(FRB)が債券買い入れを継続していることに加え、経済指標が軟調なことを踏まえると、今週に入ってからの利回り上昇は行き過ぎていたと述べた。

2年債と10年債の利回り格差は95.5ベーシスポイント(bp)に縮小。12日の取引では103bpと、17年5月以来の水準に拡大していた。

米国債利回りは今週初め、財務省の長期債入札を控えていたことや、景気回復を受けFRBが国債買い入れを縮小するとの観測を背景に上昇。ただ10年債と30年債の入札が堅調な需要を集めたことで、12日以降は低下に向かった。FRB当局者が米経済は長期間にわたる支援が必要との考えを相次いで示したことも利回り低下につながった。

資産運用会社ダブルライン・キャピタルを率いるジェフリー・ガンドラック氏は、米長期債に対するアジア勢の需要が増加しているようにみえると指摘。少なくとも短期的に国債利回りはピークを付けたとの見方を示した。

財務省は来週20日に240億ドルの20年債、21日に150億ドルの10年物インフレ指数連動債(TIPS)の入札を実施する。

<株式> 下落し、ダウ工業株30種が177ドル値下がりした。決算を発表した大手銀行株が売り込まれたほか、エネルギー株も軟調だった。

S&P500銀行株指数はは3.4%安。最近の急激な伸びの反動が出た可能性もある。JPモルガン・チェースや、シティグループ、ウエルズ・ファーゴの四半期決算は予想を上回った。

ウエルズ・ファーゴは7.8%安、シティは6.9%安と下げが目立った。JPモルガンは1.8%安。

インディペンデント・アライアンス(ノースカロライナ州)の最高投資責任者(CIO)、クリス・ザカレリ氏は「金融やエネルギー株の下げが相場全体の足を引っ張った。今年の相場は金融やエネルギー、素材、工業株がけん引役になるとみられ、こうした株価が値下がりすれば相場の悪材料になる」と指摘した。

バイデン次期大統領は14日、1兆9000億ドル規模の新たな景気対策案を発表。ワクチン接種などの新型コロナウイルス対策に4150億ドルを充てるほか、約1兆ドルを家計支援に振り向ける。国民への現金給付は、前回の景気対策で支給した1人当たり600ドルに加え、さらに1400ドルを盛り込む。失業給付の上乗せは現在の週300ドルから同400ドルに引き上げ、9月まで延長する。

昨年12月の小売売上高は前月比0.7%減と、市場予想の横ばいに反して落ち込みが続いた。新型コロナの感染拡大を抑えるための封鎖措置が改めて導入される中、外食が減ったほか商業施設への客足が遠のいた。

チャールズ・シュワブのチーフ投資ストラテジスト、リズ・アン・ソンダース氏は「投資家心理がこれまで泡立つような高揚感の中で極端に投機的な水準に達していることを考えると、相場が時として自ら下げ始めるのに特定のきっかけは必要ない」と述べた。

リフィニティブのデータによると、S&P500企業の昨年第4・四半期の収益は9.5%減少する見込み。また今年第1・四半期は16.4%増加するとみられている。

石油大手エクソンモービルは4.8%安。同社が保有する南部パーミアンのシェール資産が過大評価されているとの告発を受け、証券取引委員会(SEC)が調査を開始した。

<金先物> ドル高・ユーロ安に伴う割高感を受けて売られ、続落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比21.50ドル(1.16%)安の1オンス=1829.90ドル。週間では5.50ドル(0.30%)安と、マイナスでの越週は2週連続となった。

<米原油先物> 中国の新型コロナウイルス感染再拡大の報を受けてエネルギー需要の鈍化懸念が強まり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.21ドル(2.26%)安の1バレル=52.36ドル。3月物は1.20ドル安の52.42ドルだった。

ドル/円 NY終値 103.87/103.90

始値 103.65

高値 103.91

安値 103.65

ユーロ/ドル NY終値 1.2078/1.2082

始値 1.2122

高値 1.2133

安値 1.2076

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*03.00 1.8395%

前営業日終値 94*10.50 1.8740%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*01.00 1.0869%

前営業日終値 97*20.50 1.1290%

5年債(指標銘柄) 16時59分 99*20.00 0.4517%

前営業日終値 99*15.00 0.4840%

2年債(指標銘柄) 17時01分 99*31.38 0.1350%

前営業日終値 99*30.63 0.1470%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 30814.26 -177.26 -0.57

前営業日終値 30991.52

ナスダック総合 12998.50 -114.14 -0.87

前営業日終値 13112.64

S&P総合500種 3768.25 -27.29 -0.72

前営業日終値 3795.54

COMEX金 2月限 1829.9 ‐21.5

前営業日終値 1851.4

COMEX銀 3月限 2486.6 ‐93.6

前営業日終値 2580.2

北海ブレント 3月限 55.10 ‐1.32

前営業日終値 56.42

米WTI先物 2月限 52.36 ‐1.21

前営業日終値 53.57

CRB商品指数 175.2473 ‐1.5204

前営業日終値 176.7677

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