- 2026/07/27 06:10 掲載
【Copilot神アプデ】Excelの地味な手間が消える「新機能3選」、自分たち仕様に超進化
連載:Copilot for Microsoft 365で変わる仕事術
1983年生まれ、秋田県出身。2010年に自社のMicrosoft 365(当時BPOS)導入を担当したことをきっかけに、多くの企業に対してMicrosoft 365導入や活用の支援をはじめる。Microsoft 365に関わるIT技術者として、社内の導入や活用の担当者として、そしてひとりのユーザーとして、さまざまな立場の経験から得られた等身大のナレッジを、各種イベントでの登壇、ブログ、ソーシャルメディア、その他IT系メディアサイトなどを通じて発信している。
(後ほど詳しく解説します)
1年で“超進化”したCopilot、だが「新たな課題」は…
この1年、業務における生成AIの活用は、「エージェンティック」という言葉を中心に語られてきました。プロンプトに従って回答するだけでなく、AIが複数のステップを計画し、アプリやブラウザを操作しながら仕事を進める。そうしたエージェント的な動作を前提とするAIモデルが、当たり前のように語られるようになっています。特にアンソロピックは、エージェント的なふるまいを重視したClaude SonnetやClaude Opusの新モデルを立て続けに発表しており、企業におけるAI活用に大きな影響を与えてきました。Microsoft 365 CopilotでもアンソロピックのAIモデルが採用され、現在ではCopilotチャットのほか、リサーチツールエージェント、Excel、PowerPoint、Coworkなどへと対応範囲が広がっています。
ExcelやPowerPointで「Edit with Copilot」が一般提供された際には、マイクロソフト自身も、1年前のモデルはアプリを操作できるほど強力ではなかったものの、その後大きく進歩したと説明していました。こうした進化により、私たちの手元でも、より込み入った業務をAIに頼める場面が増えてきました。
ただ、Copilotを業務で活用する場面が増えてくると、新たな課題も見えてきました。それは、社員1人ひとりがCopilotを使ったときに、組織として一定の品質のアウトプットを出せるのだろうかという点です。
たとえば「月次の売上をまとめて」とCopilotに依頼したとしても、人によってレポートの構成もグラフの体裁もバラバラになりかねません。安定した結果を得るにはそれなりのプロンプトが必要ですが、その工夫を社員1人ひとりに委ねるのは現実的ではないでしょう。組織としては、自分たちの作法に沿ったアウトプットを、誰が使っても得られるようにしたいところです。
これまでも、人が作業を行う際には、業務マニュアルや手順書によって仕事の進め方を標準化してきました。新しく仕事に加わったメンバーにも、そうしたドキュメントを共有することで、組織としての水準を保とうとしてきたわけです。
同じことを、今後はCopilotに対してもやっていく必要があるのだろうと思います。いわばCopilot向けの業務マニュアルや手順書を作成するようなものです。
今回紹介するExcel Copilotの新機能は、こうした課題に対応し、業務の手順やルール、個人の好みをCopilotに伝えるための仕組みです。
【新機能1】手順を覚えさせる「スキル」とは
まず紹介するのは、「スキル」です。2026年6月25日にマイクロソフトが発表した機能で、Excelにおける繰り返し発生する業務プロセスをCopilotに覚えさせておくためのものです。マイクロソフトからは、主に財務まわりの例として、投資判断のための分析、キャッシュフローの計算、シナリオ分析などが挙げられています。こうした業務は、毎回決まった手順や表の作り方、分析の切り口が求められます。
Copilotにゼロから毎回説明していては時間もかかりますし、依頼の仕方で結果もぶれてしまいます。そこで、あらかじめスキルとして手順を教えておくことで、Copilotが安定した結果を出せるようになるという仕組みです。
現在のプレビュー版を筆者が確認した時点では、日本語環境では利用できないようでした。一方、英語版のMicrosoft 365環境では、先に挙げた財務向けのスキルを利用できました。例として、企業の比較分析を行う「comps-analysis」では、比較対象企業の選定から、EV/EBITDAなどの指標の計算方法、データの妥当性チェックまで、財務分析の実務で必要な流れが順序立てて整理されていました。
また、自社独自のスキルを作成する仕組みも用意されています。提供状況は利用環境によって異なりますが、定められた書式に従い、先ほど紹介した財務スキルのように、自社の業務の進め方を書いていきます。
書き方のルールはさほど難しくなく、むしろ大事なのは、業務そのものをしっかり説明できるように整理しておくことです。属人化しがちな業務ほど、改めて手順を書き起こしておくことで、スキルを通じて他の人でも同じ成果を出せるようになるかもしれません。
【新機能2】Excel運用が楽になる「ワークブックのルール」
次に紹介するのは、「ワークブックのルール」です。こちらは、Excelのブックごとに、Copilotが守るべきルールを定義しておくものです。現場のExcel運用では、ブックごとに独自のルールがあることが多いはずです。セルを結合しない、特定の列は編集しない、入力時の書式やヘッダーのスタイルなど、細かな決まりごとが積み上がっているものです。こうしたルールは、そのブックを利用するメンバーの間で、暗黙の了解として共有されていることが多いのですが、Copilotと一緒に作業する場合には目に見える形で書き出しておく必要があります。
ここでは、Excelブック内にルール定義用のシートを作成し、そこにルールをまとめて書いておくことで、Copilotが作業を行う際にもそれらを守ってくれるようになります。ブック全体のルールとなるので、異動や引き継ぎがあっても、ブックの整合性を保ち、ルールを守りながらCopilotと一緒に作業を進められるはずです。 【次ページ】【新機能3】表示形式など好みを指定「Copilotの個人設定」
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