- 2021/02/06 掲載
ドルが対ユーロで下落、雇用統計受けポジション調整=NY外為
労働省が朝方発表した1月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比4万9000人増と、伸びは市場予想の5万人増を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復支援に政府の追加対策が必要なことが示された。
これを受け、ユーロは対ドルで1.2042ドルと、0.7%上昇。1日の上昇としては約2カ月ぶりの大きさになった。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、米経済がユーロ圏など他の地域より力強く回復するとの見方に変化が出たわけではなく、短期トレーダーがドルロングとユーロショートのポジションを調整したと指摘。「雇用統計で第1・四半期の国内総生産(GDP)統計見通しが変化したわけではない。市場のポジションはこれとは異なる」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.5%安の91.028。ただ週初からは0.6%上昇している。
ドルは対円で0.1%安の105.42円。バノックバーンのチャンドラー氏は、ドルの対円での小幅な動きは、雇用統計を受けた米長期債利回りの小幅な動きと整合性が取れていると述べた。
雇用統計を受け、バイデン大統領は「米経済はなお苦境にある」とし、1兆9000億ドル規模の追加の新型コロナウイルス対策法案の実現が必要と改めて表明した。
INGは、積極的な景気刺激策が実施されればインフレ高進が触発されるとの見方から、市場では来週発表される消費者物価指数の注目度が高まると指摘。物価統計に基づく実質金利の水準次第でドル相場が影響を受ける可能性があるとの見方を示した。
ドルは昨年、約7%下落。市場では、年初来のドル高がこれに対する一時的な反動なのか見極めようとする動きが続いている。
暗号資産(仮想通貨)は上昇。ビットコインは2%、イーサ(イーサリアム)は7%、上昇した。イーサ先物は7日にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引が開始される。
(表はリフィニティブデータに基づいています)
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