- 2021/05/08 掲載
対中関係の緊張、エスカレート望まず=EU大使
欧州委員会が、昨年末に合意にこぎ着けた中国との包括的投資協定(CAI)の批准を目指す取り組みを停止していることについて、人々が考えているほど劇的なものではないとの認識を示した。
EUは3月、中国が新疆ウイグル自治区で重大な人権侵害を行っていたとして、1989年以降で初の制裁に踏み切った。中国は疑惑を否定、EUの議員などを標的にした報復制裁を打ち出した。
同大使は記者団に「エスカレートすることは望んでいない。だが、EUは何があっても発言したいことを発言する」と述べた。
欧州委はCAIについて、欧州議会議員を標的にした中国の報復制裁を受け、欧州議会の支持を得ることが困難になるとみている。
同大使は、これについて「状況は人々が考えているとみられるほど劇的なものではない。(中国)商務省と引き続き非常に緊密に連携している」と述べた。
同大使は、中国がEUより先に批准してはならないわけではないとも発言。中国による早期の批准を望んでいるが、欧州議会の承認を得るには「政治的な場」を生み出すことが必要になると発言。
「現時点では、この政治的な場を確保できるか、十分な場を確保できるか判断するのは時期尚早だ」と述べた。
EUの式典で同大使の発言直後にスピーチした中国の秦剛外務次官は、双方が早期の批准を目指すべきだと発言。EUが「客観的かつ理性的な」目で中国を見ることを期待すると述べた。
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