- 2021/06/09 掲載
カナダ貿易収支、4月は予想外の黒字 半導体不足の影響継続の予想
統計局は、世界的な半導体供給の停滞による影響が5月も続くと予想。エコノミストらは事態の安定化には何カ月もかかる可能性があるとの見方を示した。
ロイターのアナリスト調査による予想は7億カナダドルの赤字、3月改定値は13億5000万カナダドルの赤字だった。
4月の輸入は4.7%減少。自動車と部品の輸入が22.1%減少したことが全体を押し下げた。北米や海外で多くの自動車メーカーが減産や生産停止に追い込まれていることが背景にある。
輸出は1.0%減少。自動車と部品の輸出は18.1%減少した。
統計局は「4月は、(半導体)不足による国内の生産停滞が最も深刻だった。5月は影響がやや薄れるとみている」と分析した。
カナダ輸出開発公社(EDC)の首席エコノミスト、ロス・プルサコフスキ氏は、この問題は2022年まで続く可能性があると指摘。「困難な状況だ。供給障害、新型コロナウイルス感染の影響、世界的な製品需要、すべての問題に半導体がからんでいる」と述べた。
最大の貿易相手国である米国向け輸出は1.4%増、輸入は5.2%減少した。
対米貿易黒字は64億カナダドルと、3月の42億カナダドルから大幅に増加した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は、4月の国内総生産(GDP)が0.8%減少すると予想。「輸出需要は改善しているが、現状の供給停滞を踏まえると、輸出が強い伸びを示しはじめるのは下半期になるだろう」と述べた。
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