- 2021/06/14 掲載
LIBORとの早期決別訴え、米規制当局が金融機関に
米連邦準備理事会(FRB)のクオールズ副議長(金融規制担当)は、銀行による不正操作が発覚したために廃止が予定されているLIBORについて、金融安定監督評議会の会議で「前進への道はない」と強調。デリバティブ(金融派生商品)などの契約を、LIBORに代わる「担保付翌日物調達金利(SOFR)」に移行する作業を遅らせる理由はないとし、「移行を否定したり遅らせる人たちは奇跡を信じているようなものだ。LIBORは終わった」と述べた。
LIBORの新規契約での利用は年内の廃止が予定されているが、規制当局は金融機関の移行作業が遅いことに懸念を示してきた。
イエレン財務長官は、法人向け融資など一部分野はLIBORからの移行が「大幅に遅れている」と指摘した。
当局はまた、SOFRと競合するブルームバーグ・ショートターム・バンクイールド・インデックス(短期銀行利回り指数、BSBY)を採用する動きもけん制してきた。
米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、BSBYが1日当たり100億ドル未満の取引に基づいているのに対し、指標として採用されれば数兆ドルの取引を担うことになると指摘。「そのようなミスマッチがあれば、不正操作する経済的誘因が十分に生じる」と警告した。
PR
PR
PR