- 2021/08/24 掲載
緩和縮小の手掛かり焦点=米FRB議長、27日講演
【ワシントン時事】主要国の中央銀行首脳らが参加する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が27日開催され、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演する。景気回復を受け、米国債などを購入する量的緩和策の縮小開始時期などに言及するかが焦点だ。
会議はカンザスシティー連邦準備銀行が主催し、ワイオミング州ジャクソンホールで毎年夏に開かれる。新型コロナウイルスの変異株の感染拡大に伴い、急きょオンライン形式に変更された。
講演のテーマは「経済見通し」。コロナ危機で導入された量的緩和の縮小について踏み込んだ発言をすれば、金融政策の正常化に向け一歩近づく。FRBが緩和縮小にかじを切れば世界で資金の流れが変わり、日本経済も影響を受けそうだ。
FRBは景気が目標へ「一段と大きく前進する」まで現行ペースで量的緩和を続けると約束している。インフレ率が目標の2%を大きく超え、雇用も堅調に拡大しており、7月の前回金融政策会合では、大半の参加者が「年内の縮小開始が適切である公算が大きい」と判断した。
市場が注目するのは、毎月1200億ドル(約13兆円)に及ぶ米国債購入などをいつから減らし、いつ終わらせるか。縮小完了後のゼロ金利解除の時期と関係するからだ。FRBが年内に開く政策会合は9、11、12月の3回。「9月に縮小開始を表明し、11月に着手」(米バンク・オブ・アメリカ)との観測が出ている。
ただコロナ変異株の感染拡大で、景気先行きには不透明感も漂う。バーナンキ議長(当時)が2013年、リーマン・ショック後の量的緩和策を縮小する意向に言及した際には世界の金融市場が混乱した経緯もある。不安をあおらずにFRBの意図を事前に周知させられるか、パウエル議長の「市場との対話」の手腕が問われる。
【時事通信社】 〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=7月15日、ワシントン(AFP時事)
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