• 2021/09/28 掲載

NTT、通信用光ファイバの感じる振動状態を活用し通信設備のモニタリング技術を実証

NTT

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 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純、以下「NTT」)は、通信用の既設光ファイバケーブルをセンサとして利活用し、ケーブル周辺の環境情報を取得する環境モニタリングの実現に向け、光ファイバに加わる振動を極めて高精度に測定する技術を実証しました。本技術を用いて世界で初めて架空光ファイバケーブル(※1)に加わる微小な振動が光ファイバの長手方向に伝搬する様子(振動伝搬パターン)を捉え、それが電柱等の通信設備の周辺や前後で異なることを見出しました。この振動伝搬パターンの変化点は、振動分布波形上のどの地点に通信設備があるか特定するための指標となり得るため、各種光ファイバ測定技術で得られる様々なイベントの発生地点を、これまでの測定器からの光ファイバ長だけでなく、振動分布波形上の設備位置を起点として高精度に特定可能にすることが期待できます。

 本技術の確立を進めることにより、IOWN時代において既設光ファイバケーブルネットワークをセンサとして活用した環境モニタリングを実現し、さらに、得られた環境情報を多様な産業分野で利用してもらうことで、様々な社会課題の解決に貢献することをめざします。本成果は、12月発行のIEEE Journal of Lightwave Technology に掲載予定です。

1.研究の背景

 これまでの光ファイバ振動分布測定技術は空間分解能(※2)が数mオーダであり、この空間分解能よりも短い波長を持つ振動や振動状態の変化を正確に測定できません。光ファイバケーブルを伝搬する振動の波長や振動状態が変化する区間長は1m程度になることがあるため、従来の測定技術では振動様相を正確に捉えることが困難でした。また、無理に空間分解能を改善しようとしても測定で得られる信号パワーが低くなるため測定の感度が低下して正確な振動波形を得ることができませんでした。

2.技術の特徴

 NTTは1m以下という優れた空間分解能での測定が可能なOFDR (Optical Frequency Domain Reflectometry)(※3)という光測定方式を用いることで、光ファイバケーブルネットワークへ適用可能な高精度光ファイバ振動分布測定技術を実現しました。

 これにより、世界で初めて打撃等の意図的な加振や明らかな異常振動が加わっていない状態でも、

1.風等によって架空光ファイバケーブルに自然発生する微小振動が光ファイバの長手方向に伝搬する様子(振動伝搬パターン)を捉えました

2.振動伝搬パターンが電柱、クロージャ(※4)等の通信設備の周辺や前後で異なる/不連続となることを見出しました

 この振動伝搬パターンの変化点は、通信設備が振動分布波形上のどの地点にあるか特定するための指標として利用することが期待できます。

※1 架空光ファイバケーブル:電柱等を利用し屋外に設置された光ファイバケーブル。

※2 空間分解能:光ファイバに沿って分布的に情報を取得する光ファイバ測定において、どれだけ細かく位置を特定できるかを表す性能のこと。空間分解能1mとは1m離れた2地点の情報を区別して測定できるということを意味する。

※3 OFDR (Optical Frequency Domain Reflectometry):光の周波数を掃引した光を光ファイバに入射し、光ファイバの各地点からの反射光の周波数により反射。光の反射位置を区別することによる、光ファイバを分布的に測定する手法。空間分解能に優れるという特徴を持つ。

※4 クロージャ:屋外の光ファイバケーブルルート上で光ファイバ同士の接続を実施する際に、接続点を保護収容する箱。

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